4 信頼性の確保

　公害規制の強化に伴い、公害測定機器の信頼性の確保は緊急な課題となっている。このため、通商産業省では、47年に公害計測機器を「計量法」の対象機種に指定し、製造者に対しては、製造事業者の事業登録制を採用し、特定の検査設備の設置及び検査規定の届出を義務付けている。
　計測機器の検定については、できる限り早急に実施することとし、既に検定を開始している騒音計、pH計、非分散型赤外線式濃度計(CO、NOx、SO2濃度計)、溶液導電率式SO2濃度計、紫外線式(SO2、NOx)濃度計及び化学発光式NOx濃度計に加えて、酸素濃度計及び振動レベル計を検定対象機種として追加した。また、大気及び水質の総量規制に伴って使用される流量計等についての信頼性を確保するため、53年5月に計量法の一部改正が行われ流量計等を計量法上の計量器に追加し、濃度計と同様に製造事業者の登録制と検査規程の届出の義務を課すこととし、さらに検定対象とすべく検討を進めている。
　一方、機器校正用標準物質については、標準ガス検査制度の拡充並びに使用の徹底を図るとともに、標準ガスの種類及び濃度範囲(特に低濃度)の拡大を図る。また、校正用ガス調整装置については、標準ガスと併せて、検査制度の普及、保進を図るとともに精度管理の確立に努める。さらに、測定事業者の信頼性向上については、引き続き、濃度、騒音レベルを対象とした環境計量士の国家試験を行うとともに、試験合格者に対して環境計量講習又は環境計量特別教習を実施する。