2 農薬汚染防止対策
国内で販売される農薬については、農薬による汚染を未然に防止するため、「農薬取締法」により、残留性、毒性、水質汚濁性等についての審査を経て登録を受けなければならないこととされており、この審査基準として、?農作物等の残留性に係るもの、? 土壌残留性に係るもの、? 水産動植物に対する毒性に係るもの、及び、? 水質汚濁に係るもの、の4つについて、農薬の登録保留の基準が設定されている。このうち、農作物等の残留性に係る基準については、55年1月末現在、134農薬について定められており、土壌残留性に係る基準等についても共通の基準が定められている。
また、これらの基準に対応して、農薬残留に関する安全使用基準等が定められ、適正な使用が図られている。
一方、農薬の使用規制については、現に使用されている農薬のうち、農作物等、又は土壌への残留性から見て、使用方法によっては、これが原因となって人畜に被害を生じさせるおそれのある農薬を政令により作物残留性農薬又は土壌残留性農薬に指定するとともに、その使用基準を定めて使用方法を規制している。
なお、作物残留性農薬の指定等に資するため、農薬残留対策調査を54年度も引き続き実施した。
また、水質汚濁性があり、水産動植物や人畜に被害を生じさせるおそれのある農薬を水質汚濁性農薬に指定し、地域を限ってその使用の規制を行っているが、更に、水産動物に対する被害防止の徹底を図るため、水産動物に対する毒性の程度に応じ、水産動物の被害の防止に関する安全使用基準等を定め、被害の未然防止に努めている。
指定農薬及びその他の規制を受けている農薬並びに農薬の毒性別の生産状況は、第5-5-1表及び第5-5-2表のとおりである。