3 大型プロジェクト制度等による研究
通商産業省においては、大型工業技術研究開発制度(通称「大型プロジェクト制度」)により重要かつ大規模な研究開発課題について、産、学、官の密接な協力体制の下に研究を進めている。この制度による公害防止関係の大型技術開発としては53年度においては、高温還元ガス利用による直接製鉄、自動車総合管制技術、重質油を原料とするオレフィンの製造法、航空機用ジェットエンジン、資源再利用技術システムの5テーマの研究開発を行った。
運輸省においては,海域の汚染が進みやすい閉鎖性海域の環境保全対策を検討するため各種の調査を引き続き実施している。53年度においても、前年度に引き続き海岸線がもつ海水浄化能力をは握するための現地調査を東京湾において、海水汚染機構をは握するための模型実験を伊勢湾においてそれぞれ実施したほか、海底に堆積する汚泥を除去することによる水質改善効果をは握するため東京湾、伊勢湾、大阪湾及び瀬戸内海に堆積する有機汚泥の性状等に関する調査等を実施した。
また、建設省においては、前年度に引き続き総合技術開発プロジェクトの課題として「建設工事環境改善技術の開発」を実施し、52年度に研究に着手した建設工事に伴う騒音、振動を軽減する対策工法、対策機械の研究開発に加えて、しゃ音設備、排水処理施設の研究並びに環境改善技術に関する施工基準の作成等を行うとともに、53年度より、新たに「沿岸地域の居住環境整備に関する総合技術の開発」に着手し、道路と居住環境の総合的な環境整備に関する技術開発等の研究に着手した。