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第11節 国際協力の推進

(1) 技術協力
 東南アジアをはじめとする発展途上国における公害防止担当技術者の養成を援助するため、国際協力事業団による研修計画に昭和50年度から環境技術研修が付け加えられたが、52年度に5回目を迎える環境行政研修とともに、発展途上国の公害防止対策の向上と相互理解の増進を図るべく、その内容充実に努めることとしている。
 また、国際協力事業団を通じての専門家派遣については、自然保護関係でエチオピアの派遣が継続中であるが、調査及び技術協力計画への派遣要請には可能な限り協力を行うものとする。
(2) 海外広報等
 我が国は、環境汚染に関する多くの経験を有しており、その汚染防止技術等とともに、これを諸外国が利用できる形で提供することは我が国にとって重要な任務であり、海外広報活動の内容充実に努めてきたところである。
 52年度においては英文白書の作成、既刊行資料の内容改訂等のほか、「有害物質の健康影響資料」などの作成により、海外広報の積極化を図るものとする。
 また、国連、OECD等の国際機関及び諸外国からの情報のうち参考となるものの紹介を行い、我が国の環境行政の推進に資することとしている。
(3) 多国間及び二国間協力
ア 国連
 国連環境計画活動の具体的展開を推進するため、国連環境計画管理理事会の場で、我が国は豊富な知見を持つ理事国として積極的に貢献するものとする。
 個別プロジェクトのうちでは、情報源照会制度(IRS)の体制整備、国連砂漠化防止会議(52年8月)への参画等を予定している。
 更に、アジア太平洋地域事務所の開設により地域活動が促進されてきたので、我が国は技術面の蓄積と豊富な経験を生かして、ESCAP地域での環境保全対策の推進に協力するものとする。
イ OECD
 ?窒素酸化物規制、自動車排出ガス規制、?騒音防止対策、?工業河川における水管理。?化学物質の事前審査、?汚染低減コストなどに関するプロジェクトを重点に積極的に協力するものとする。
 また、日本の環境政策レビューに関連し、その成果が、我が国及び各国環境政策へ十分生かされるよう努めるものとする。
ウ 二国間協力
 日米環境協力協定による合同企画調整委員会は、閣僚レベルによる東京での開催が予定されており、環境の保護及び改善について積極的な意見の交換が期待されている。更に、本協定により専門分野での会合が、それぞれ日本あるいはアメリカで開かれ、日米両国の情報交換及び共同研究の推進に努めることとしている。
 自然保護の分野では、「天然資源の開発に関する日米会議」(UJNR)の一環である第11回国立公園等専門部会が我が国で開催される予定であり、自然環境の保全と利用について専門技術レベルの情報交換等協力活動を進めることとしている。
 また、日独科学技術協力協定による合同委員会及び環境保護技術協力パネルの開催が東京で予定されている。このほか、科学技術協力の分野では、日仏・日韓等の二国間会議等でも情報の交換及び共同研究等の協力を進めることとしている。
 更に49年9月発効した日米渡り鳥等保護条約に引き続き、日ソ、日豪間の各渡り鳥等保護条約の批准を目指す。

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