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第1節 

1 土地利用の適正化

 昭和51年5月に国土利用計画(全国計画)が閣議決定された。これを受けて現在各都道府県において国土利用計画(都道府県計画)を策定中である。
 都道府県計画は、全国計画を基本とし、都道府県土(以下「県土」という。)の利用に関する基本構想、県土の利用目的に応じた区分ごとの規模の目標及びその地域別の概要ならびにこれらを達成するために必要な措置の概要を定めるものである。
 また、各都道府県計画は、あらかじめ、国土利用計画地方審議会及び市町村長の意見を聞き、各都道府県議会の議決を経て定められるものである。すでに12件については52年2〜3月の各県議会の議決を経て、各県国土利用計画が策定されており、残りの都道府県においての鋭意作業が進められている。
 次に、土地利用基本計画については、全都道府県の計画が内閣総理大臣の承認を受けている。土地利用基本計画は、土地取引の規制、開発行為の規制、遊休土地に関する措置を実施するための基本となる計画であり、土地取引に関しては直接的に、開発行為については個別法を通じて間接的に、規制の基準としての役割を果たすもので、これにより公害の防止、自然環境の保全、国土の保全などに配慮しつつ適正かつ合理的に土地利用が推進されることとなった。
 土地利用計画には、都市地域、農業地域、森林地域、自然公園地域、自然保全地域の5地域区分の図面表示と土地利用の調整等の関する事項が定められているが、その概要は以下のとおりとなっている。
(1) 5地域区分の指定状況
 土地利用基本計画の5地域区分の指定状況(51年12月末現在)は、都市地域約916万ha(国土面積の24.5%)、農業地域約1,758万ha(47.2%)森林地域約2,530万ha(67.9%)、自然公園地域約516万ha(13.8%)、自然保全地域約8万ha(0.2%)、5地域のいずれにも区分されないいわゆる白地地域約30万ha(0.8%)となっているが、各地域が重複している地域があるため、5地域とは白地地域を単純に合計した面積は約5,757万haで、国土面積の約1.5倍となっている。
(2) 土地利用の調整などに関する事項
 各都道府県とも土地利用の原則、5地域区分の重複する地域における土地利用に関する調整指導方針を記載している。また、これに加えて、土地利用上配慮されるべき公共機関の開発保全計画を記載している都道府県があるが、その計画数は265件(51年12月現在)となっている。
 なお、土地利用基本計画に記載された開発保全整備計画は、土地利用転換の内容、土地利用計画との関連、環境保全対策との関連などについて検討が行われており、計画段階における土地利用調整、環境保全対策等に十分に配慮されたものとなっている。

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