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第4節 環境保全長期計画の策定等

 今後、我が国の環境行政を長期的な視点に立って計画的、総合的に推進するため、環境保全長期計画を策定する必要がある。
 このような観点から、昭和46年10月環境庁長官は「望ましい環境の保全を図るための長期構想はいかにあるべきか」について中央公害対策審議会に諮問した。
 これに基づき、47年12月同審議会企画部会は「環境保全長期ビジョン中間報告」を取りまとめたが、その後、60年を目途とする環境保全長期計画の策定を推進するために、同部会の下に、49年10月に政策専門委員会及び計量専門委員会を設置し、政策専門委員会においては、環境保全の基本的考え方、環境保全の目標、目標達成のための政策等の検討を進め、また、計量専門委員会においては、環境保全に関するモデルを開発し、環境政策等を計量的な側面から評価、検証してきたが、52年3月31日に、中央公害対策審議会企画部会は「環境保全長期計画<公害の防止
」を取りまとめ、同日、環境庁長官に、中央公害対策審議会の答申がなされた。
 この答申は、60年を目標年次とする10か年に関するものであり、環境基準等の目標を大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、悪臭、地盤沈下、土壌汚染ごとに明示し、その目標達成のために必要な施策の方向を明らかにしている。更に環境に影響を与える産業構造、交通体系、地域構造等の諸政策について環境保全の観点から配慮すべき事項を示し、目標達成のための要する公害防止費用をその経済的影響とともに明らかにしている。
 また、自然環境に関する部分については、自然環境保全審議会自然環境部会の下に49年11月自然環境保全長期計画策定小委員会を設置し、自然環境保全目標、目標達成のための施策等の検討が続けられ、51年12月20日に「自然環境保全に関する長期計画のための基本的具体的構想」が自然環境保全審議会から環境庁長官に答申された。
 環境庁は、両答申を受けて、「環境保全長期計画」をとりまとめた。
 また、「瀬戸内海環境保全臨時措置法」に基づき政府が策定することとされている瀬戸内海の環境保全に関する基本となるべき計画については、その基本的な考え方について51年12月、瀬戸内海環境保全審議会より答申が行われ、これに基づき具体的な検討が進められた。

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