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第3節 

2 規制措置の強化

(1) 上乗せ排水基準の設定
 公共用水域の水質保全のため、「水質汚濁防止法」により、特定施設を設置する工場及び事業場から公共用水域に排出される水について全国一律の排水基準が設定されているほか、都道府県が全国一律の排水基準ではその環境基準を達成することが困難な水域について条例でより厳しい上乗せ排水基準を設定し得るものとされている。
 現在すべての都道府県において上乗せ排水基準を設定しており、50年度に上乗せ排水基準を強化した都道府県は、13道府県に上り、水質規制が一段と強化されている。
 なお、50年度に、上乗せ排水基準設定促進のため、19都県について水質調査費又は基準設定費の助成を行った。
(2) 規制対象の拡大
 「水質汚濁防止法」は、旧「工場排水規制法」当時の規制対象130業種のほぼ4倍に当たる約560業種を規制対象としている。現在なお規制の対象となっていない業種についても順次調査を実施の上規制対象として組み入れていくこととしており、50年度においては、飲食店、木材、木製品製造業及び家具装備品製造業の排水の実態調査を実施した。
(3) 規制項目の追加等
 未規制の汚濁物質の環境に及ぼす影響等を調査するため、引き続き50年度においても温排水及び有色排水について所要の調査研究を実施するとともに、セレン、モリブデン及び塩素の排水実態調査を実施した。
 また、温排水の規制基準を作成するために中央公害対策審議会水質部会温排水分科会において検討が進められてきたが、50年12月に「温排水問題に関する中間報告」として、温排水に関する基本的な考え方が示され、今後進めるべき方向が明らかにされた。

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