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第2節 

1 水道原水の汚濁

 水質汚濁は、公共用水域に水源を求める多くの水道に少なからぬ影響を与えており、被害報告数は依然増加の傾向が続いている。水道被害の最近の特徴は、有機物や重金属汚染による直接的被害がほぼ横ばいの傾向にあるのに対し、塩水化及び富栄養化による異臭味の発生、土木工事等による汚濁等の被害が増えていることである。これらの被害は、多くの場合、汚濁物質の一時的な増加によるものであるが、有毒物質や重金属汚染等浄水処理面で対処しきれない汚染が発生した場合には、取水の制限や停止などを余儀なくされており、その結果、減・断水等住民への給水に支障を来すこともある。また、水質汚濁が恒状化した場合には、高度な浄水処理方法の採用、水質管理の強化、更に水源や取水地点の変更等により対処するほかなく、水道にとって大きな財政的負担となっている。

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