(1) 測定方法に関する基準の確立
測定者によって、著しく異なった測定結果が生ずることを避けるため、各種汚染物質に関し、測定法に関する基準の確立を図る必要がある。
このため、環境庁においては、47年度から監視測定が必要な各種大気汚染物質について試料の採取、前処理、分析、測定計算方式等に関し、具体的な基準の確立の作業を進めるとともに通商産業省においては、測定方法、化学標準物質等に関する日本工業規格の制定、改正を行うこととしている。
(2) 測定機器の開発
公害測定機器の製造業は、ここ数年の間に急速に発展したもので、比較的歴史が浅く、産業として基盤がまだ十分に確立していないが、通商産業省では引き続き、次のような公害測定機器振興策を講ずることとしている。
? 開発のための融資、補助金制度の適用、公害計測技術の強化、日本工業規格(JIS)の拡大を行う。
? 公害測定機器の技術水準の向上、低廉な製品の供給を図るため「特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法」上の試験研究業種、合理化業種に指定し、同法に基づく高度化計画を策定することにより、それぞれの業種ごとの具体的な高度化を推進する。
(3) 信頼性の確保
公害規制の強化に伴い、公害測定機器の信頼性の増進は、緊急の課題となっているので、通商産業省では、公害計測器製造業者に性能検査設備の設置及び製造事業登録を義務づけるとともに引き続き公害計測機器の計量法による検定のための基準について検討を進めることとしている。なお、騒音計については、48年7月から計量法に基づく検定を実施している。また、計量行政審議会建議「公害計測用化学標準物質の標準のあり方について」(48年8月)を受けて、機器校正用化学標準物質の供給体制の確立を図ることとしている。そのほか、同審議会中間答申「環境計測の適正化について」(48年12月)を受けて、現在、環境測定分析事業者及び環境計測技術者の資質向上と信頼性の確保を図るため計量法の改正等を進めている。