5 その他の被害
以上の典型的な被害のほかに、各地の生活排水、工場排水、更に観光施設等からの排水等により、特に湖水にあってはその富栄養化が進み透明度の低下、水色の変化が生起され湖水景観が損なわれつつあり、湖沼を含めて河川、海岸等の水質の低下をもたらし、海水浴、釣等に適した場所が次第に失われつつある。
環境庁の海水浴場等の水質調査(48年度)によれば、調査対象とした314水浴場のうち、水浴に適するものが312か所と全体の99%を占めているものの、この内には大腸菌や油分に関し更に改善対策を要するものが38か所あった。
また、原因関係について必ずしも完全に究明されていないものの、水質低下によるものと思われる渡り鳥、野鳥類の死亡ないしはこれらの野鳥のこれまでの生息地からの逃避や渡り鳥の渡来の途絶等の減少がみられる。