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第2節 

1 保護管理

(1) 管理体制の強化
 国立公園管理体制を強化するため、国立公園管理員を53名から9名増員し、62名とし、あわせて現行阿寒、十和田八幡平、日光、富士箱根伊豆、瀬戸内海および阿蘇の6国立公園管理事務所のほか、新たに中部山岳国立公園および西表国立公園の2公園に管理事務所を増設する。
(2) 自然保護調査研究の実施
 従来の感覚的な自然保護から一歩進めて、さらに生態学的な立場に立った風致景観の保護を図っていくため、国土開発や過剰利用が自然の生態系等に及ぼす影響について科学的に解明し、自然の破壊、損傷を防止する手法を開発することが、今後の自然保護行政を進めるにあたって不可欠のものである。かかる観点に立って次の調査を行なう。
? 道路建設に伴う森林伐採の生態系に与える影響に関する研究
? 自然公園における収容力に関する研究
? 都市環境下における人間環境指標動植物に関する研究
? 浅海における海中生態系に関する研究
? 鳥獣の残留毒性および増殖に関する研究
(3) 湖沼、湿原の保護に関する調査
 本来清澄であるべき国立公園および国定公園内の湖沼のうち、一部に周辺地域の開発などによって富栄養化が進み透明度の低下、水色の変化が起りつつあるため、環境庁長官が指定する湖沼等への排水規制措置がとられるようになり、46年度において、とりあえず、汚染に対し特に抵抗力が弱いと考えられる国立公園の特別保護地区内の35の湖沼および湿原についてはじめて指定を行ない規制することとしたが、特別地域内の湖沼についても46年度に行なわれた中禅寺湖、芦の湖等の調査にひきつづき47年度においては十和田湖、野尻湖等の6湖沼について調査、解析を行ない必要な湖沼について順次指定して保護を図る。

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