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第8節 工業立地対策

 工業化と都市化の進展に伴い、過密、過疎の弊害が顕著となった現状にかんがみ総合的な国土利用計画に基づく、社会資本の整備等と相まって、過密地域における工場制限を強化するとともに、工場を各地域の開発能力に応じて適正に配置されるよう誘導することが必要である。
 このような見地から、第一に首都圏整備法および首都圏における工業等制限法の立地規制を強化することとしている。法改正の内容は、第1に立地規制を受ける対象工場の床面積を1,000?以上から500?以上にまで範囲を拡大したこと、第2に工業等制限区域の範囲を拡大していること、第3に、例外的に制限を解除される場合として当該施設の新増設が、公害の防止または産業廃棄物の処理のために必要であると認められる場合が追加されていること等である。同法案は第68回国会に提出された。
 第二に、工場の適正な再配置を促進するための施策を講ずることとしている。具体的には、工業再配置促進法案および産炭地域振興事業団を工業再配置・産炭地域振興公団に改組するための法案を第68国会に提出するとともに、47年度予算財投計画案、税正改正において所要の措置を講じている。その骨子は次のとおりである。
? 通商産業大臣が政策運営の基本方針とするとともに企業に対するガイドポストとして環境保全に関する事項を含む工業再配置計画を定める。
? 工業集積度、人口増加率等を基準として、過度に工業が集積しており工場の移転を促進すべき「移転促進地域」および工業を誘導すべき「誘導地域」を定める。
? 国による直接的助成として工業再配置促進補助金、工業団地造成利子補給金を交付する。
? 前述した公団による促進措補として跡地融資買上げ、移転資金の融資、中核団地の造成などを行なう。
? 税制上の優遇措置として加速償却制度を設けるとともに、固定資産税の減免を地方公共団体が行なった場合にその減収額に対し3年間地方交付税で補填する措置を講ずる。
 第三に、工場立地適正調査産業公害総合事前調査等工業開発に先立つ各種事前調査については、47年度においても引き続き実施することとしている。

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