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第3節 

3 鳥獣に関する各種調査の実施

 鳥獣行政の円滑な実施を図るため、鳥獣生息状況調査等の調査をひきつづき実施するほか、日米渡り鳥等保護条約の締結を契機に全国に鳥類観測ステーション18ヵ所を計画的に設置し、渡り鳥の標識調査を強化拡充するとともに、絶滅のおそれのある鳥類の実態調査等各種の調査を実施し、これらの鳥類の保護対策をたてる。
 各種調査の概要は次のとおりである。
? 鳥類標識調査
 渡り鳥の生態を把握する資料を充実するため、昭和47年度においては新たに渡り鳥の重要な渡来地に鳥類標識調査の基地として鳥類観測ステーションを整備することとし、渡り鳥の移動状況、繁殖状況等の生態を把握し、さらに国際的に情報交換をを通じて渡り鳥の保護対策の確立に資する。
? 干潟調査
 干潟は、渡り鳥等の鳥類にとっては大切な生息地であるが、近年、干潟が立地上、港湾、工業用地、宅地の造成地等としての利用価値が高いことから埋立てが進み、今後とも埋立ての対象となることが考えられ、その現状把握が急務となっていることにかんがみ、現在残されている主要な干潟について、そこに渡来する鳥類の生息状況やその環境等を調査し、渡り鳥の保護対策に資する。
? 絶滅のおそれのある鳥類等の調査
 近年における生息環境の悪化等に伴って、トキ、コウノトリ等にみられるように絶滅の危険にさらされている鳥類も少なくなく、時に特有の生態系を有し環境の破壊されやすい島しょに生息する絶滅のおそれのある鳥類についてはその保護の重要性にかんがみ、これら鳥類の生息状況および生息環境の実態調査を実施し、保護対策に資する。

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