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第4節 茨城県鹿島等に係る基礎調査の実施

 第3次の公害防止計画策定地域として鹿島(茨城県)、名古屋(愛知県)、尼崎(兵庫県)、北九州(福岡県)および大分(大分県)の5地域を選び、当該地域にかかる基本方針大綱作成に必要な総合的基礎調査および研究を厚生省が中心となって実施した。
 厚生省の公害防止計画委員会は、地方公共団体および関係省庁の協力のもとに、基本方針大綱(案)に盛り込むべき主要事項および地域特性の検討をし、現地調査を行ない大綱(案)をまとめることとしている。
 公害防止計画は国と地方公共団体と企業等が協力して各種の施策を総合的、集中的に実施するものであるので、各地域ごとに公害防止計画の前提となる地域特性、地域環境の汚染の現状および将来予測、地域発展の見通し、汚染物の負荷量等の態様を明らかにすることを目的として、?地域概況調査 ?環境汚染等調査 ?地域特性等に関する研究を行なった。
(1) 地域概況等調査の概要
 地域の現状と将来動向は、基本方針大綱に盛り込むべき事項を明らかにするための必須の条件であるので、人口(総人口、地区別人口等)、土地利用(都市計画、農用地利用等)、産業(立地企業の内容、農水産業等)、環境衛生施設(下水道、ごみ処理施設等)等の項目について、現状調査とその将来予測を行なった。
 また、人口密度図、都市計画図、工場立地状況図、監視測定網図、環境汚染状況図等、地域の概況を明示する地図を作成し、基本方針大綱の作成のための基礎資料とした。
(2) 環境汚染等調査の概要
 この調査は、各地域における大気汚染、水質汚濁等の現状を調査し、その態様を明らかにし、あわせて汚染負荷量とその広がりなどを計量的には握することを目的とするものである。
(3) 地域特性等に関する研究の概要
 対象地域の地域特性を明らかにするため、?産業基盤整備の推移と方向 ?土地利用の現状と計画 ?地域財政の推移と方向および公害防止事業 ?各種公害の現状と対策上の諸問題 ?公害防止の観点からみた既存諸計画の諸問題 ?公害事象の背景たる地域特性について研究を行なった。

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