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第1節 

1 制度の趣旨

 公害による被害救済に関しては、その原因行為が人為的なものである以上、一般の民事紛争と同様司法上の救済手段によるのが原則であり、民法の不法行為の規定に基づく損害賠償等の方途が開かれているわけであるが、公害問題に関しては因果関係の究明、有責者の確定、違法性の判定等の点で種々の困難な問題がある。
 このような公害問題の特殊性にかんがみ、司法上の救済措置が究極的な解決手段であるという原則にたちながらも、それとは別に、迅速かつ円滑な救済手段として行政上の特別の救済措置を創設すべきであるという趣旨に沿って、この救済法が制定されたのである。

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