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第2節 

1 発生源

 人に不快な感じを与えるにおいの成分の代表例は、温泉地帯に広く存在する硫化水素(卵の腐ったようなにおい)、塩素ガス等の無機化合物のほか、脂肪酸、アミン等の含窒素化合物、メルカプタン等の含いおう化合物などの有機化合物であり、刺激性臭気という点まで含めて炭化水素やフェノールのような例もあげることができる。
 また、悪臭のおもな発生源としては、炭化水素、メルカプタン類等を放出するクラフトパルプ製造を中心とするパルプ工場や石油精製工場、さらにアミン脂肪酸類等を放出する魚腸骨処理場、化製場、と畜場等がある。そのほか、ごみ集積場、清掃工場、し尿処理場、ハム・ソーセージ製造工場、養豚、養鶏施設等がある。
 また、漁港付近に散在した水産加工場等は古くからある悪臭発生源で従来はさほど問題にされなかったが、最近登場してきた養豚舎、養鶏舎あるいはごみ焼却場などとともに都市化の影響を受けて地域の問題として苦情の原因となっている。

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