資料8 使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)の概要


 年間約400万台(中古車輸出を含めれば、約500万台)排出される使用済自動車は、有用金属・部品を含み資源として価値が高いものであるため、従来は解体業者や破砕業者において売買を通じて流通し、リサイクル・処理が行われてきました。しかし産業廃棄物最終処分場のひっ迫により、使用済自動車から生じるシュレッダーダストを低減する必要性が高まっています。また、最終処分費の高騰、鉄スクラップ価格の低下・不安定な変動により、近年、従来のリサイクルシステムは機能不全に陥りつつあり、不法投棄・不適正処理の懸念も生じている状況にあります。
 このため、自動車製造業者を中心とした関係者に適切な役割分担を義務付けることにより使用済自動車のリサイクル・適正処理を図るため、自動車リサイクル法が第154回国会で成立し、平成14年7月に公布されました。同法は、平成17年1月1日に本格施行されることとなっています。
 使用済自動車の再資源化等に関する法律では拡大生産者責任の考え方に基づき、使用済自動車の処理行程で発生するフロン類、エアバッグ類及びシュレッダーダストについて、自動車製造業者及び輸入業者(以下「製造業者等」という。)に対して引取り及びリサイクル(フロン類については破壊)を義務付けます。それとともに、引取業者、解体業者等の関係者による使用済自動車の引取り・引渡しのルールを定め、シュレッダーダスト等が製造業者等に確実に引き渡されるようリサイクルルートを整備します。
 製造業者等のリサイクルに充てる費用は、リサイクル料金として新車販売時(制度施行時の既販車は最初の車検時まで)に自動車の所有者があらかじめ預託することとします。製造業者等の倒産・解散による減失を防ぐため、リサイクル料金は資金管理法人が管理し、製造業者等はシュレッダーダスト等のリサイクルにあたりその払渡しを請求できることとします。なおリサイクル料金はあらかじめ製造業者等が定めて公表し、不適切な料金設定に対しては国が是正を勧告する仕組みとしています(資料8-図)。


資料8-図 自動車リサイクル法の概要




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