4 海岸・港湾・海洋
(1)港湾及び漁港・漁場における環境の整備
海水交換機能を有する防波堤、水産動植物の生息、繁殖が可能な防波堤等の整備並びに砂浜の再生に資する漁港の整備など、自然調和・活用型の漁港漁場づくりを積極的に展開します。
港湾においては、過去に劣化・喪失してきた自然環境を少しでも取り戻し、港湾のあらゆる機能に環境配慮を取り込んでいくことが不可欠です。そのため、港湾の開発・利用と環境の保全・再生・創出を車の両輪として捉えた「港湾行政のグリーン化」を図ります。
汚泥その他公害の原因となる物質の除去、覆砂による水質・底質の改善に取り組みます。また、港湾整備により発生するしゅんせつ土砂等を活用して、多様な生物の生息地である干潟・海浜・藻場等の保全・再生・創出を計画的に行います。これらの実施に当たっては、自然環境の不確実性等を考慮し、事業実施段階及び供用段階における継続的なモニタリングの結果を事業計画等に随時フィードバックさせる順応的管理手法の導入を図ります。加えて、平成13年12月の都市再生プロジェクト第三次決定「臨海部における緑の拠点の形成」については、大阪湾尼崎臨海部、同堺臨港部における大規模緑地の創出を推進します。そのほか、ゴミの投棄、油の流出などの水環境や景観に悪影響を及ぼす放置艇の解消を図るため、船舶等の放置等禁止区域の指定により規制措置の強化に取り組むとともに、既存の静穏水域等を活用した簡易な係留・保管施設(ボートパーク)等の整備を推進します。また、港湾は豊かな自然環境が残された静穏な水域であることから、海辺の自然環境を生かして自然体験・環境教育を行う「海辺の自然学校」「海辺の達人養成講座」等の取組を推進します。
(2)海岸における環境の整備
砂浜の保全・復元により生物の生育・生息地を確保しつつ、景観上もすぐれた人と海の自然のふれあいの場を整備する「海岸環境整備事業」を実施します。