2 国際的動向を踏まえた日本の取組
わが国は、SAICMの準備会合や地域会合などに積極的に出席し、その策定作業に能動的に関与してきました。国内に対しても、平成17年度には、17年6月及び18年2月の化学物質と環境円卓会議において、関係者の間でSAICMについて意見交換を行いました。
POPs条約については、日本は平成14年8月に締結しており、16年5月から条約が発効しています。17年6月には、POPs条約に基づく国内実施計画を策定し、同計画に基づき条約の義務を着実に履行しています。また、14年度より毎年、東アジアPOPsモニタリングワークショップを開催するなど、アジア・太平洋地域におけるPOPsモニタリングについての協力等の取組を進めているほか、15年度より中国における残留性有機汚染物質管理システムの構築に係る研究協力を進めています。また、化学物質管理に関する能力構築として、15年から実施している先進ASEAN諸国に対するGHS能力構築に加え、17年度より化学物質管理全般に関する研修を開始しています。さらに、新たにPOPs条約の対象物質として追加が検討されている化学物質について、日本独自の情報を提供するなど、国際貢献を進めています。
また、PIC条約については、日本は平成16年6月に締結しており、同年9月から日本において効力が発生することになりました。現在、関係府省が連携して条約を着実に履行しています。
GHSについては、関係省庁連絡会議のもと、作業を分担しながら、各種法令対象物質の分類事業を行うとともに、勧告文書の翻訳を作成するなど、平成20年の導入に向けて着実に作業を進めています。
関係府省においては、OECDにおける環境保健安全プログラムに関する作業として、HPV化学物質の安全性点検作業に積極的に対応するとともに、新規化学物質の試験データの信頼性確保及び各国間のデータ相互受入れのため、GLPに関する国内体制の維持・更新、生態影響評価試験法等に関する日本としての評価作業、化学物質の安全性を総合的に評価するための手法等の検討、内外の化学物質の安全性に係る情報の収集、分析等を行っています。平成17年度においては、OECDのHPV点検プロジェクトにおいて、生態影響試験、毒性試験等の実施により必要な知見を収集、整理し、初期評価報告書を作成し、OECDの初期評価会合に5物質の初期評価報告書を提出しました。