1 化学物質環境実態調査の概要
(1)初期環境調査
初期環境調査は、化審法第二種監視化学物質、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(平成11年法律第86号。以下「化学物質排出把握管理促進法」という。)の候補物質、非意図的生成物質、環境リスク初期評価に必要な物質及び社会的要因から必要とされる物質等の環境残留状況を把握するための調査です。
平成16年度は、22物質(群)(延べ30物質(群)・媒体)について、水質、底質、水生生物、大気で計95地点の調査を実施しました。その結果、13物質(群)が検出されました。
(2)ばく露量調査
ばく露量調査は、環境リスク初期評価を実施するために必要なヒト及び生物の化学物質のばく露量を把握するための調査です。
平成16年度は、5物質(延べ8物質・媒体)について、水質、大気、食事、室内空気で計180地点の調査を実施した結果、4物質が検出されました。
(3)モニタリング調査
モニタリング調査は、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(以下、「POPs条約」という。)対象物質等、環境残留性が高く環境基準等が設定されていない物質であって、環境実態の経年的把握が必要な物質を対象として実施する調査です。
平成16年度は、POPs条約対象物質、ヘキサクロロシクロヘキサン類及び有機スズ化合物(ジオクチルスズ化合物)、ヘキサブロモベンゼンの11物質(群)(延べ43物質(群)・媒体)について、水質、底質、生物(貝類・魚類・鳥類)、大気で計163地点の調査を実施しました。その結果、POPs条約対象物質となっているものについては、これまでのところ、いずれも低い値で推移していることが分かりました(例:図5-1-2)。