3 窒素酸化物
(1)問題の概要
一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)等の窒素酸化物(NOx)は、主に物の燃焼に伴って発生し、その主な発生源は工場等の固定発生源と自動車等の移動発生源があります。NOxは光化学オキシダント、浮遊粒子状物質(SPM)、酸性雨の原因物質となり、特にNO2は高濃度で呼吸器を刺激し、好ましくない影響を及ぼすおそれがあります。
(2)二酸化窒素による大気汚染の状況
平成16年度の二酸化窒素に係る有効測定局(年間測定時間が6,000時間以上の測定局をいう。以下同じ。)数は、一般局が712市町村・1,444測定局、自排局が266市町村・434測定局です。年平均値は、一般局0.015ppm、自排局0.028ppmで、図2-1-6に推移を示したとおりほぼ横ばいの傾向にあります。
環境基準の達成状況の推移は、図2-1-7のとおりで16年度は、一般局100%、自排局89.2%で、前年度と比較すると、一般局、自排局ともにやや改善しています。
また、平成16年度に環境基準が達成されなかった測定局の分布をみると、自排局は自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(平成4年法律第70号。以下「自動車NOx・PM法」という。)の対策地域のうち三重県を除く7都府県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府及び兵庫県)に加え、石川県、岡山県、山口県、福岡県、長崎県の各12県にも分布しています(図2-1-8)。
自動車NOx・PM法に基づく対策地域全体における環境基準達成局の割合は、平成16年度には81.1%(自排局)と近年改善傾向がみられます(図2-1-9)。また、年平均値は近年ほぼ横ばいながら緩やかな改善傾向がみられます(図2-1-10)。