3 技術の振興
(1)環境技術の開発支援
「持続可能な開発」の推進のため、汚染物質等の直接的な処理技術はもとより、資源、エネルギーの効率的利用のための技術等、地球環境の変化を緩和するための技術開発が必要です。また、特定の地球環境問題の解決のための技術が他の環境問題を起こさないよう配慮するとともに、開発途上国の自然的・社会的条件に適した技術の開発を推進する必要があります。
このような観点から、地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨等国際的に対応が必要になっている分野において技術開発を推進するとともに、技術開発体制の整備、充実を図りました(表7-6-4)。
また、環境政策上対応が急がれる技術の開発を行うため、「環境技術開発等推進費」の「実用化研究開発課題」において、「ナノ反応場を活用した酵素活用生分解水環境改善システム技術の開発」等計14課題に対して助成を行い、環境技術の開発を促進しました。
地球温暖化対策に関しては、新たな地球温暖化対策技術の開発・実用化・導入普及を進めるため、「地球温暖化対策技術開発事業(競争的資金)」を創設し、省エネルギー対策技術実用化開発分野、再生可能エネルギー導入技術実用化開発分野、都市再生環境モデル技術開発分野を対象として、民間企業、公的研究機関等から技術開発事業の提案を募集し、26件の技術開発事業を実施しました。
また、「公募型による競争的な温暖化対策市場化直結技術開発補助事業」を創設し、民間企業等から短期間で商品化が可能な市場化に直結した技術開発事業の提案を募集し、13件の技術開発事業を実施しました。
また、「環境技術実証モデル事業」では、先進的環境技術の普及をさらに促進すべく、化学物質に関する簡易モニタリング技術等3技術分野を、新たに実証の対象に追加しました。
このほか、地方公共団体の環境測定分析機関等を対象として、各分析機関における環境測定分析技術の向上を図る契機とするとともに環境測定分析の信頼性の確保に資する観点から、環境測定分析統一精度管理調査を実施しています。
平成16年度は、基本精度管理調査(重金属類(カドミウム、鉛、砒素)、臭気指数(窒素ベース))と高等精度管理調査(フタル酸ジエチルへキシル、鉛、ダイオキシン類及びコプラナーPCB、ベンゾ(a)ピレン、ベンゾフェノン、4−ニトロトルエン)について調査を実施しました。また、ホームページを利用した分析結果回収システムの改善を進めました。さらに、引き続き極端な分析結果(外れ値等)の原因究明に取り組むとともに、より定量的な解析等を目指した新たな統計処理手法を用いた解析を実施しました。
(2)技術開発等に際しての環境配慮及び新たな課題への対応
先端技術に関する環境保全施策を推進するため、バイオテクノロジーと環境保全に関する基礎的な調査を行いました。また、非遺伝子組換え生物(微生物等)を用いたバイオレメディエーションに係る安全指針については、経済産業省及び環境省の2省に存在している指針を一本化するための適切な制度の検討を行い、非遺伝子組換え微生物を利用するバイオレメディエーションに係る両省共同の安全指針「微生物を用いたバイオレメディエーションに係る利用指針」を告示しました。