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第10節 

5 温泉の保護と利用

(1)温泉の保護と利用
 温泉法(昭和23年法律第125号)では、温泉を保護しその適正な利用を図ることを目的として、温泉を掘削又は増掘する場合や動力を装置する場合には都道府県知事の許可を、温泉を公共の浴用又は飲用に供する場合には都道府県知事又は保健所設置市長の許可を受けなければならない旨定めています。平成15年度の全国の許可件数は、温泉掘削583件、増掘17件、動力装置396件、浴用又は飲用2,660件でした。
 温泉の保護と利用をめぐる最近の諸問題について討議し、行政上の課題等を整理するため、「温泉の保護と利用に関する懇談会」を開催し、平成16年6月に中間報告を取りまとめました。
 また、平成16年7月以降、表示なく温泉に入浴剤を添加したり、井戸水や水道水を沸かしたものを温泉と称するなど、温泉をめぐる問題事例が発生したことを契機として、温泉事業者による利用者への情報提供について国民の関心が高まっています。
 こうした状況を踏まえ、全国の温泉利用施設を対象に実態調査を実施し、平成16年10月にその結果を公表しました。
 さらに、温泉事業者による表示のあり方など温泉に関する喫緊の課題への対応について検討を行うため、平成16年11月に中央環境審議会に「温泉事業者による表示の在り方等について」を諮問し、自然環境部会に設置された温泉小委員会での審議を得て、17年2月に答申がなされました。この答申の内容を踏まえ、同年2月には、既存の表示項目に加え、温泉成分に影響を与える項目を追加し、温泉事業者による温泉利用者への情報提供を充実させるための温泉法施行規則の改正を行いました。

(2)国民保養温泉地
 国民保養温泉地は、温泉の公共的利用増進のため、温泉法に基づき指定された地域であり、平成16年度末現在、91か所が指定されています。
 国民保養温泉地のうち、自然資源を活用し自然とふれあい心身をリフレッシュすることが期待できる温泉地として選定された「ふれあい・やすらぎ温泉地」において、自然ふれあい・温泉センター、歩道等の整備を行っており、平成16年度は5地区において実施しました。

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