東アジア地域においては、近年のめざましい経済成長等により、今後酸性雨原因物質の排出量の増加が予測されていることから、近い将来、酸性雨による影響が深刻なものとなることが懸念されています。
このため、東アジア地域における酸性雨の現状やその影響を解明するとともに、酸性雨問題に関する地域の協力体制を確立することを目的として、平成13年1月から、東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)が本格稼働しています(図2-2-1)。現在の参加国は、中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、モンゴル、フィリピン、ロシア、タイ、ベトナム、カンボジア及びラオスの12か国です。なお、現在までのデータからは、pHの年平均値は、4.18〜6.51(一般に5.6以下を酸性雨と呼んでいる。)の範囲に分布しており、中国南西部で強い酸性雨が報告されています。
EANETに関する第5回政府間会合(平成15年)では、17年からすべての参加国が自主的な資金貢献を果たすことを目指した資金分担の目標について合意されました。また、第6回政府間会合(16年)では、EANETの今後の発展に向け、EANETの地域協定化等に関する実現可能性の検討や、18年秋の完成を目途に東アジア地域の酸性雨の状況に係る第一次報告書の作成作業等の開始が承認されました。