第6章
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自然環境の保全と自然とのふれあいの推進 |
第1節 自然環境等の現状 |
1 自然環境の現状
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(1)日本列島の植生 日本の代表的な気候的極相は、①南西諸島から東北南部に広がるタブ、カシ類、シイ類といった常緑広葉樹(照葉樹)の森林、②九州南部から北海道南部までの、常緑広葉樹林より寒冷な地域に広がるブナ林などの落葉広葉樹の森林、③北海道に広がるエゾマツ、トドマツといった針葉樹とミズナラ等の落葉広葉樹の混成する針広混交林、④エゾマツ、トドマツ林に代表される亜寒帯針葉樹林等です。自然性の高い地域ではこうした極相の植生が見られますが、その地域は必ずしも多くはありません。 植生区分別に見ると、自然植生が減少し、植林地・耕作地植生やその他が増加しています。また、自然度別に見ると、自然林等が減少し、農耕地(水田・畑)や市街地・造成地等が増加しており、自然林に自然草原を加えた自然植生は国土の2割を切っており、その半分以上が北海道にあります(表6-1-1、地方別に見る植生自然度の構成比)。 |
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2 野生生物種の現状
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第2節 生物多様性の保全のための取組 |
第3節 原生的な自然及びすぐれた自然の保全 |
1 原生的な自然の保全
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2 すぐれた自然の保全
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(4)鳥獣保護区 特に鳥獣の保護を図る必要のある地域として、鳥獣の捕獲を禁止し、生息環境の改善に努めるために、鳥獣保護区を指定し、さらに必要に応じて特別保護地区を指定することとしています。平成15年度は新たに国指定鳥獣保護区を3か所、そのうち1か所で特別保護地区を指定しました。また更新した鳥獣保護区で新たに1か所の特別保護地区を指定しました。平成15年度末現在、59か所の国指定鳥獣保護区(51.4万ha)、3,882か所の都道府県指定鳥獣保護区(311.8万ha)が指定されており、その合計面積は363.2万haで国土面積の9.6%を占めています。また、46か所の国指定鳥獣保護区と576か所の都道府県指定鳥獣保護区に合計26.6万haの特別保護地区が指定されています(表6-3-2)。 |
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第4節 二次的自然環境の維持、形成 |
1 森林
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2 農地
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第5節 湿地の保全 |
1 野生生物の生息地等として重要な湿地の保全
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2 沿岸海域の保全
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第6節 自然の減少が顕著な地域における自然的環境の回復 |
1 自然再生事業の推進
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2 自然的環境の整備
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第7節 野生生物の保護管理 |
1 野生動植物の捕獲・譲渡等の規制、生息・生育環境の整備等
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2 鳥獣の保護管理の推進
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3 水産資源の保護管理の推進
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4 外来生物等への対応
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5 調査研究等の推進
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第8節 飼養動物の愛護・管理 |
第9節 自然とのふれあいの推進 |
1 自然解説活動及び健全なふれあい利用の推進
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2 利用のための施設の整備
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3 エコツーリズムの推進
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4 都市と農山漁村の交流
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5 温泉の保護と利用
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第10節 自然環境の保全に関する国際的枠組みの下での取組と新たな国際的枠組みづくり |
1 生物多様性の保全
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2 森林の保全と持続可能な経営の推進
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(1)問題の概要 世界の森林は、陸地の3割を占め、面積39億haに及びますが、1990年(平成2年)から2000年(平成12年)にかけて、年平均940万haの割合で減少しました。特に、世界の森林の47%を占め野生生物種の半数が生息するといわれている熱帯林においては、この間、毎年、本州の面積の3分の2に相当する1,420万haの天然林が失われたと推測されています。近年では、ロシア極東地域における森林の減少も懸念されています(図6-10-1)。 森林消失の原因として、農地への転用、非伝統的な焼畑移動耕作の増加、過度の薪炭材採取、不適切な商業伐採、過放牧、プランテーション造成、森林火災等が挙げられます。その背景には、人口増加、貧困、土地制度等のさまざまな社会的経済的要因が絡んでいます。特に近年では、違法伐採が問題となっています。 (2)対策 平成4年の地球サミットで、森林原則声明及びアジェンダ21が採択され、それ以降、世界の森林保全と持続可能な経営に関する議論が行われています。 平成13年に設置された「国連森林フォーラム」(UNFF)では、国家森林プログラムの策定等からなるIPF/IFF行動提案の実施促進、国際協力の推進、すべての森林に関する法的枠組みの作成等について検討されています。 平成14年のヨハネスブルグ・サミットにおいて日本とインドネシアが中心となって発足させた「アジア森林パートナーシップ」(AFP)では、アジアの持続可能な森林経営の促進を目的として、違法伐採対策、森林火災予防、荒廃地の復旧と再植林等について検討されています。平成15年7月に開催されたAFP第2回実施促進会合では、優先的に取り組むべき具体的行動が合意され、同年11月に開催されたAFP第3回実施促進会合では、「合法性確認システムの開発」、「衛星情報の共有・活用」等の作業計画案が検討されました。 国際熱帯木材協定(ITTA)に基づき横浜市にその本部が設置されている国際熱帯木材機関(ITTO)においても、熱帯林における持続可能な森林経営等を目的とした活動が行われています。 |
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3 砂漠化への対処
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4 国際的に高い価値が認められている環境の保全
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