2 地球温暖化対策
(1)エネルギー起源二酸化炭素排出抑制対策の推進
エネルギー需要面、供給面ともに、引き続き地球温暖化対策推進大綱に基づき施策を実施していきます。国・地方公共団体・事業者・国民等各主体における、新エネルギー対策や省エネルギー対策を引き続き推進します。燃料電池自動車の普及や水素供給インフラ整備、及び家庭用小型燃料電池の導入に向けた規制の再点検、実証研究等の取組を行います。
(2)非エネルギー起源二酸化炭素、メタン及び一酸化二窒素の排出抑制対策の推進
非エネルギー起源二酸化炭素排出抑制対策として、引き続き、廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用の推進等により廃棄物焼却量及び埋立量を抑制します。
(3)代替フロン等3ガスの排出抑制対策の推進
代替フロン等3ガスの排出抑制対策として、引き続き、産業界の計画的な取組の促進、代替物質等の開発等、代替物質を使用した製品等の利用の促進、法律に基づく冷媒として機器に充てんされたHFCの回収等の地球温暖化対策推進大綱に盛り込まれた施策を実施します。
(4)革新的技術開発
温室効果ガスの排出抑制のためのより高度な新エネルギー技術や省エネルギー技術、水素製造技術、二酸化炭素の固定化・有効利用等の革新的技術開発について、引き続き積極的に推進します。
(5)国民各界各層による更なる地球温暖化防止活動の推進
ア 国及び地方公共団体による取組
政府自らが率先して地球温暖化対策に取り組むため、政府の実行計画に定められた取組を引き続き推進していきます。また、引き続き、前年度の政府の事務及び事業に伴い排出される温室効果ガスの総排出量を推計し、公表するとともに、そのほかの数量的目標や対策の取組状況についても、調査を行い、結果を公表します。
イ 地球温暖化防止に向けた国民運動の展開
環の国くらし会議メンバーに加え、環のくらし応援団等から成る「環のくらし100人委員会(仮称)」を設置し、ライフスタイル変革の視点から国民的な取組のためのメッセージの発信を行います。また、各種メディアを使用した普及啓発の実施など、ライフスタイル変革の国民運動を促すための施策を推進します。
さらに、全国センターにおいて、国民の地球温暖化防止に向けた取組を支援します。
(6)温室効果ガス吸収源対策の推進
温室効果ガス吸収源対策としては、地球温暖化対策推進大綱に盛り込まれた地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策のもとで、森林・林業基本計画の目標達成に必要な森林の整備・保全、木材供給、木材の有効利用等の取組を国、地方公共団体、事業体及び国民各層の連携・協力の下に着実かつ総合的に実施します。また、日本の吸収量が国際的にも認められるよう、森林等の吸収源に関するガイダンスであるLULUCF-GPGに基づく報告・検証体制の強化を図ります。
(7)国内排出量取引
国内排出量取引制度については、知見や経験の蓄積に努め、これを踏まえて、京都メカニズムを活用するために必要となる制度のあり方について、引き続き検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講じることとなります。
(8)税、課徴金等の経済的手法
税、課徴金等の経済的手法については、第7章第3節参照。
(9)排出量・吸収量算定のための国内制度の整備
毎年、気候変動枠組条約に基づいて温室効果ガス排出・吸収目録(インベントリ)を作成しています。インベントリは地球温暖化対策の極めて重要な基礎指標となることから、温室効果ガス排出量・吸収量の更なる精度の向上に向けた算定方法の改善、情報解析、要因分析等を行うほか、インベントリ作成の迅速化、速報の公表に関する検討等を行います。
(10)観測・調査研究の推進
地球温暖化に係る不確実性を低減させ、科学的知見を踏まえた一層適切な対策を講じるため、地球環境研究総合推進費等を活用し、現象解明、将来予測、影響評価及び対策に関する研究を総合的に推進します。また、温室効果ガスの観測及び人工衛星等を用いた観測技術の開発を実施します。