1 地盤環境保全対策
地盤沈下の防止のため、「工業用水法」(昭和31年法律第146号)及び「建築物用地下水の採取の規制に関する法律」(昭和37年法律第100号)に基づき地下水採取の規制が行われており、現在、両法によりそれぞれ10都府県、4都府県の一部が地域指定されています。また、多くの地域では地方公共団体の条例等に基づく規制のほか、工業用地下水採取の自主規制、工業用水使用合理化等の行政指導を行うことにより地下水採取量の削減を図っています。地下水採取量を削減するための代替水対策としては、代替水源の確保及び供給する事業が進められていますが、工業用水で特に対策の必要な地域については、地盤沈下防止対策工業用水道事業が進められています。
既に著しく地盤が沈下している地域については、この結果生じた被害を復旧するとともに、洪水、高潮等による災害に対処するため高潮対策、内水排除施設整備、海岸保全施設整備、土地改良等の事業を実施しました。また、雨水浸透ますの設置等、地下水かん養の促進等による健全な水循環を確保するための事業に対して補助を実施しました。濃尾平野、筑後・佐賀平野及び関東平野北部については、それぞれの地盤沈下防止等対策要綱に基づいて、代替水源の確保等の各種の施策が推進されており、濃尾平野及び筑後・佐賀平野地盤沈下防止等対策要綱については、実施状況、施策の効果、問題点の把握を行いました。
大深度地下の使用については、「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」(平成12年法律第87号)に基づく大深度地下の公共的使用に関する基本方針を具体的に運用するための指針として、地下水、施設設置による地盤変位、化学反応、掘削土の処理等について環境の保全のための措置等を示した「大深度地下の公共的使用における環境の保全に係る指針」を、首都圏、近畿圏、中部圏の大深度地下使用協議会等の検討を経て定めました。