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第3節 

3 閉鎖性水域等における水環境の保全

 水質改善が依然として進んでいない河川や閉鎖性水域等については、所要の調査解析等を行います。
 また、水質汚濁の著しい都市内河川、水道水源水域等の水質改善を図るため、水質汚濁防止法等に基づく排水規制、下水道等生活排水処理施設の整備や住民参加等による生活排水対策、河川等における浄化対策や流量の確保等の各種の施策を総合的に実施します。さらに身近な水辺の整備により、住民が水とふれあう機会を増やして住民一人ひとりの意識啓発を図ります。
 湖沼については、「湖沼水質保全特別措置法」に基づく「湖沼水質保全計画」の策定されている琵琶湖や霞ヶ浦等10湖沼について、同計画に基づき、各種規制措置のほか、下水道の整備その他の事業を総合的・計画的に推進します。
 港湾及びその周辺海域においては、赤潮や青潮の発生が多発する海域の環境を改善するため、環境モニタリング等を下に汚染原因を解明するとともに、汚泥浚渫、覆砂、干潟の造成、浮遊ごみの回収など総合的な水質改善対策を実施すること等により、人々が快適に憩い親しむことができる海域を形成します。特に東京湾については、平成13年12月に都市再生プロジェクト(第3次決定)の「海の再生」として先行的な取組が決定され、平成14年2月には関係府省や関係自治体から構成される東京湾再生協議会が設置されたところであり、港湾事業調査費等により干潟・藻場・浅場等の自然環境や水質浄化機能の調査や検討を行い、地方公共団体等関係者と連携して、東京湾の再生への取組を推進します。
 また、農地・市街地等の非特定汚染源から発生する汚濁負荷対策の効果を検討する調査等を行うとともに、指定湖沼における水質改善のための総合的な調査・検討に努めます。さらに、雨天時に宅地や道路等の市街地から公共用水域に流入する汚濁負荷を削減するために新世代下水道支援事業制度水環境創造事業を推進するとともに、ヨシ等の生態系を活用した水質浄化施設の整備を進め、水質改善が緊要な湖沼について底泥処理など水質浄化対策の調査を行います。
 東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海においては、今後とも汚濁負荷量の一層の削減を図ることが必要であり、従来の化学的酸素要求量(COD)に加えて、新たに窒素及びりんを対象とした第5次水質総量規制を実施していきます。
 湖沼及び海域の富栄養化対策として、全窒素及び全りんに係る環境基準類型指定を進めるとともに、富栄養化等の状況の把握及び窒素・りんの発生源対策に関する調査を行います。
 瀬戸内海については、「瀬戸内海環境保全特別措置法」及び「瀬戸内海環境保全基本計画」等に基づき、水質の保全、自然海浜の保全などの諸施策を引き続き推進します。
 有明海については、平成12年度に深刻なノリ不作が生じるなど環境悪化が懸念されていることから、有明海の海域環境の改善を目的とした総合的な調査を実施します。また、有明海等の浅海域について、底質、底生生物等を含めた総合的な水環境の評価手法を確立するための調査を実施します。さらに、海域の環境保全を図るため、ごみ・油回収とともに、海洋調査等の機能を有する環境整備船を建造します。
 また、有機性汚泥が蓄積している河川、湖沼、港湾等の水域についてはしゅんせつ等の浄化対策を適切に実施します。

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