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第9節 

2 計画の実施

(1)公害防止計画事業の実施
 公害防止計画に基づき、地方公共団体等は公害の防止に関する施策を総合的に講じています。その実施状況は表2-9-3のとおりであり、平成13年度における公害対策事業の事業費は1兆5,830億円、公害関連事業の事業費は8,092億円、合わせて2兆3,922億円です。



(2)公害防止対策事業に対する財政上の特別措置
 公害の防止に関する施策の一層の推進を図るため、公害防止計画に基づき地方公共団体等が実施する公害防止対策事業については、「公害財特法*」に基づき、国の負担又は補助の割合のかさ上げ、地方債の適債事業の拡大、地方債の元利償還金の基準財政需要額への算入等、国の財政上の特別措置が講じられました。

*公害財特法
「公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」昭和46年5月26日法律第70号

 過去5年間の公害防止対策事業の事業費及び国の負担又は補助のかさ上げ額をみると表2-9-4のとおりであり、平成13年度のかさ上げ額は594億円となっています。



(3)公害防止計画制度の運用の見直しについて
 公害の態様が産業型公害から都市生活型公害へと変化してきたことを踏まえ、公害防止計画をより地域の課題に適切に対応した計画に転換するため、平成13年12月、中央環境審議会から公害防止計画制度の運用の見直しについて答申がなされました。環境省では、同答申に基づき、平成14年度の計画策定から公害防止計画制度の運用を見直すこととしています。

(4)公害防止計画策定地域における主要環境質の状況
 公害防止計画に基づく各種施策の推進等により、公害防止計画策定地域における主要な環境質は次のような状況にあります。
 二酸化窒素については、環境基準との対応状況をみると、表2-9-5のとおりであり、平成12年度では環境基準ゾーンの上限である0.06ppmを超えた測定局数の割合は、1.5%となっています。



 浮遊粒子状物質については、環境基準の長期的評価による達成状況は表2-9-6のとおりであり、平成12年度の達成局数の割合は83.0%となっています。



 光化学オキシダントについては、平成12年度では全有効測定局(667局)中11局(1.6%)において環境基準(1時間値が0.06ppm以下)を達成しています。
 ベンゼンについては、平成12年度では全有効測定局(233局)中173局(74.2%)において環境基準(年平均値0.003mg/m3以下)を達成しています。
 河川、湖沼及び海域の水質については、BOD又はCODの環境基準達成状況(達成水域数/全水域数)は表2-9-7のとおりであり、平成12年度においては、河川(BOD)について75.8%、湖沼(COD)について16.7%、海域(COD)について69.0%となっています。



(5)総務大臣指定に係る公害防止対策事業の実施
 公害防止計画策定地域以外の地域において地方公共団体が実施した公害防止対策事業のうち、総務大臣が主務大臣及び環境大臣と協議の上、指定したものについては、公害財特法第3条第3項の規定により、公害防止計画に基づく公害防止対策事業と同様の財政上の特別措置が講じられました。
 過去5年間に指定された公害防止対策事業は表2-9-8のとおりです。

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