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第6節 

10 共通的事項

(1)自然環境基礎調査
 全国的な観点からわが国における自然環境の現況及び改変状況を把握し、自然環境保全の施策を推進するための基礎資料を整備するため、第6回自然環境保全基礎調査として「植生調査」、「湿地調査」及び「生態系モニタリング調査」を実施しました。
 生物多様性保全の観点から生物多様性調査としては、「種の多様性調査」、「生態系多様性地域調査」及び「遺伝的多様性調査」を実施しました。また、海域の生態系や海洋生物の現状把握を目的とした海域自然環境保全基礎調査として「重要沿岸域生物調査」及び「海棲動物調査」を引き続き実施しました。
 生物の生息・生育環境に配慮した川づくりに関する調査研究を行うため、平成10年11月に世界最大規模の実験河川を有する自然共生研究センターを岐阜県の木曽川三派川地区に設置しました。
 また、生態学的観点より河川を理解し、川のあるべき姿を探ることを目的として河川生態学術研究を実施しました。

(2)レッドデータブック
 絶滅のおそれのある野生動植物については、生息・生育状況を把握するため、レッドデータブック掲載種を対象に地域の専門家や学会の協力を得て、生息・生育状況のモニタリングを実施しました。また、動物版レッドデータブック改訂のための情報収集・解析を行うとともに、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、汽水・淡水魚類、植物についてそれぞれレッドリストを公表し、平成13年12月までに、「爬虫類・両生類」、「植物I(維管束植物)」及び「植物II(維管束植物以外)」について、改訂版レッドデータブックの出版を行いました。

(3)移入種への対応
 わが国の移入種(外来種)問題の全体像を把握し、対応の方針を策定するため、専門家による移入種問題検討会を設置し、検討を進めました。
 また、鹿児島県の奄美大島、沖縄やんばる地域において、希少動物に影響を及ぼしているマングース等の移入種(外来種)の排除のための事業を進めました。遺伝子改変生物については、移入種(外来種)と同様の影響が懸念されるため、遺伝子改変生物の輸出入を規制する国際的な枠組みを決めたカルタヘナ議定書が採択されています。

(4)普及啓発
 野生生物保護思想の普及啓発を推進するため、愛鳥週間行事の一環として福井県において第55回「全国野鳥保護のつどい」を開催したほか、愛鳥モデル校を中心に行われている野生生物保護の実践活動を発表する「全国野生生物保護実績発表大会」等を開催しました。

(5)調査研究の推進
 生物多様性の保全、絶滅のおそれのある野生動植物の保護や鳥獣の保護管理対策の強化に資するため、調査研究を推進しました。

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