9 共通的事項等
(1)調査研究の推進
わが国における自然環境の現況及び改変状況を把握し、自然環境保全の施策推進に必要な基礎資料を整備するため、第6回自然環境保全基礎調査として「植生調査」、「湿地調査」及び「生態系総合モニタリング調査」を実施します。また、生物の多様性の保全に必要とされる科学的・客観的な基礎資料を得ることを目標とした生物多様性調査として「種の多様性調査」及び「生態系多様性地域調査」を、海域の生態系や海洋生物の現状を把握し、保全すべき沿岸域の抽出や適切な保全・整備の推進等に資することを目的とした海域自然環境保全基礎調査として「海棲動物調査」を引き続き実施します。
また、自然環境や生物多様性に関する情報を収集・管理・提供する「生物多様性情報システム」により情報提供等の業務を行います。
さらに、生物多様性の保全、絶滅のおそれのある野生動植物の保護や鳥獣の保護管理対策の強化に資するため、調査研究を推進します。
また、自然環境に配慮した河川管理の取組の1つとして、岐阜県の木曽川三派川地区に設置した世界最大規模の実験河川を有する自然共生研究センターにおいて、河川湖沼の自然環境保全・復元のための基礎的・応用的研究を行います。
さらに、生態学的観点より河川を理解し、川のあるべき姿を探ることを目的として河川生態学術研究を実施します。
(2)民間環境保全活動の促進
全国各地において推進されているナショナル・トラスト活動は、国民自らが募金活動を通じて土地の買い取り等を行い貴重な自然環境等を保全していくもので、国民主体の自然保護活動として極めて有意義なものであり、引き続き普及啓発等の施策を通じその一層の推進を図ります。
自然公園における動植物の保護や美化思想の普及、事故の防止等利用の適正化のため、自然公園指導員を委嘱するとともに研修を実施し、利用指導の充実を図ります。
また、国立・国定公園の保護管理、利用者指導、自然解説活動を広く国民の参加を得て実施するため、ボランティアの養成及びその活動に対する支援を行うための公益信託自然保護ボランティアファンドの発展・充実に努めます。
「身近な生きもの調査(環境指標種調査)」を実施することにより、国民参加による身近な自然環境の状況の把握を行うとともに啓発普及を図ります。
漁場環境保全総合美化推進事業を通じ、ボランティア団体等が海や干潟等で行う海浜清掃等の支援を行います。
(3)動物の愛護と管理
平成13年1月に総理府から環境省に移管された「動物の愛護及び管理に関する法律」について、平成11年12月の「動物の保護及び管理に関する法律」からの改正の趣旨を踏まえ、適切な運用を図ります。