地球環境保全に関する調査研究については、平成12年9月に地球環境保全に関する関係閣僚会議が策定した「平成12年度地球環境保全調査研究等総合推進計画」に基づき、国際的な研究計画に参加・連携しつつ、自然科学研究はもとより、人文社会科学の視点からの研究を含め、多様な取組を積極的に推進しました。また「地球環境研究総合推進費」制度の一環として、研究者を招聘してわが国の国立試験研究機関等において共同研究を行う「国際交流研究」及び「国内交流研究制度」の枠組み等を活用し、気候変動枠組条約京都議定書の円滑な実施に資することを目的とした調査研究等の充実、強化を図りました。
アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)については、平成11年に神戸市内に開設したAPNセンターを中核として北アジアにおける気候変動に関する国際協力の政策デザイン研究やアジアにおける土地利用・被覆変化と炭素サイクル研究、国際ワークショップ「人間的側面から見た沿岸域の環境問題」の開催等に対し支援を行いました。また、平成13年3月に済州島(韓国)で開催された第6回政府間会合では、平成13年度支援プロジェクトなどを決定しました。
また、地球環境の現状と変動の把握のための「地球地図構想」を提唱し、国際標準化機構(ISO)等と連携を図りつつ、平成10年度からアジア地域の一部で地球地図データ整備を実施しています。
監視・観測については、UNEPにおける地球環境モニタリングシステム(GEMS)、世界気象機関(WMO)における全球大気監視(GAW)計画、WMO/政府間海洋学委員会(IOC)における全世界海洋情報サービスシステム(IGOSS)、全球気候観測システム(GCOS)及び全球海洋観測システム(GOOS)等の国際的な計画に参加、連携して実施しています。例えば、環境庁(環境省)及び気象庁では、それぞれ沖縄県波照間島や東京都南鳥島等で温室効果ガスの測定を行っています。また、人工衛星による地球環境の観測・監視については、平成9年6月に機能を停止した地球観測衛星「みどり」の後継機として、平成13年度に打ち上げ予定のADEOS-IIの開発に取り組んでいます。さらに、気象庁では、WMO/GAW計画の一環として、温室効果ガスデータの世界的な収集・管理・提供を行うWMO温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)業務及びアジア・南西太平洋地域における観測データの品質を評価し、向上させるWMO品質保証科学センター(QA/SAC)業務を行っているほか、世界の地上気候データ(CLIMAT)のリアルタイム収集やその品質などを監視するCLIMATリードセンター(GSNMC)の業務を平成11年1月からドイツ気象局と共同で実施しています。
さらに、アジア地域における環境測定分析に係る精度管理技術の向上を図るための支援事業を積極的に推進しました。