2 公害防止計画の実施の推進等
(1)公害防止計画事業の実施
公害防止計画に基づき、地方公共団体等は公害の防止に関する施策を総合的に講じています。その実施状況は表4-7-3のとおりであり、平成12年度における公害対策事業の事業費は1兆6,908億円、公害関連事業の事業費は8,633億円、合わせて2兆5,541億円です。
(2)公害防止対策事業に対する財政上の特別措置
公害の防止に関する施策の一層の推進を図るため、公害防止計画に基づき地方公共団体等が実施する公害防止対策事業については、公害財特法*に基づき、国の負担又は補助の割合のかさ上げ、地方債の適債事業の拡大、地方債の元利償還金の基準財政需要額への算入等、国の財政上の特別措置が講じられました。
過去5年間の公害防止対策事業の事業費及び国の負担又は補助のかさ上げ額をみると4-7-4表のとおりであり、平成12年度のかさ上げ額は592億円となっています。
なお、公害財特法については、公害の防止に関する施策の一層の推進を図るため、法律の有効期限を10年間延長し平成23年3月31日までとする等の改正を行いました。
*公害財特法
「公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」昭和46年5月26日法律第70号
(3)公害防止計画制度のあり方について
公害防止計画制度は、地域の公害防止に重要な役割を果たしてきましたが、近年の社会経済条件等の変化に伴う環境問題の態様の変化に対応した効果的な公害防止計画のあり方について検討を行ってきています。
(4)公害防止計画策定地域における主要環境質の状況
公害防止計画に基づく各種施策の推進等により、公害防止計画策定地域における主要な環境質は次のような状況にあります。
二酸化窒素については、環境基準との対応状況をみると、表4-7-5のとおりであり、平成11年度では環境基準ゾーンの上限である0.06ppmを超えた測定局数の割合は、2.0%となっています。
浮遊粒子状物質については、環境基準の長期的評価による達成状況は表4-7-6のとおりであり、平成11年度の達成局数の割合は85.7%となっています。
光化学オキシダントについては、平成11年度では全有効測定局(694局)中2局(0.2%)において環境基準(1時間値が0.06ppm以下)を達成しています。
ベンゼンについては、平成11年度では全有効測定局(216局)中152局(70.4%)において環境基準(年平均値0.003mg/立方メートル以下)を達成しています。
河川、湖沼及び海域の水質については、BOD又はCODの環境基準達成状況(達成水域数/全水域数)は表4-7-7のとおりであり、平成11年度においては、河川(BOD)について74.0%、湖沼(COD)について25.0%、海域(COD)について68.2%となっています。
(5)総務大臣指定に係る公害防止対策事業の実施
公害防止計画策定地域以外の地域において地方公共団体が実施した公害防止対策事業のうち、総務大臣が主務大臣及び環境大臣と協議の上、指定したものについては、公害財特法第3条第3項の規定により、公害防止計画に基づく公害防止対策事業と同様の財政上の特別措置が講じられました。
過去5年間に指定された公害防止対策事業は表4-7-8のとおりです。