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第4節 

2 共生

 自然公園等における整備事業は、国立・国定公園を始めとする自然公園や豊かな自然が残っている里山等身近な自然の中で、国民が自然に学び、自然を体験する場をつくるもので、国民生活に密着した公共事業として、より一層充実した事業の推進が期待されています。
 国立・国定公園内の自然学習に適した地区において、地域の特色ある自然環境を踏まえ、効果的に学習できる施設を有した「自然学習歩道整備事業」に着手するとともに、多様な野生鳥獣が豊かに生息し、またバードウォッチングなどの場として親しまれている国設鳥獣保護区において、人の利用の適正な誘導、野生鳥獣の生態等に関する普及啓発、鳥獣の生息に適した環境の保全・形成を行うための「野生鳥獣との共生環境整備事業」に着手しました。
 また、国立・国定公園の核心となるすぐれた自然景観を有する広範な地域において、自然の保全や復元のための整備を一層強化するとともに、高度な自然学習や自然探勝ができるフィールド等を総合的に整備する「自然公園核心地域総合整備事業(緑のダイヤモンド計画)」及び二酸化炭素の吸収源である植生の復元、ソーラーや自然エネルギーを利用した地球環境にやさしい施設の整備を推進する「環境共生推進特別整備事業(共生プラン21)」等の事業を実施しました。
 さらに、身近な自然を活用し、いきものとふれあい、自然の中で憩い、国民が、自然との共生を実感できる拠点として「ふるさと自然ネットワーク整備事業」を推進しました。
 野生生物に関する調査研究、保護増殖、普及啓発等を推進するための拠点である「野生生物保護センター」の整備等を推進するとともに、水鳥類の保護や湿地の保全のための学術研究、普及啓発のための拠点である「水鳥・湿地センター」の整備等を推進しました。
 森林整備については、平成14年度からの完全学校週5日制等の導入に対応して子どもたちの「生きる力」を育む森林体験活動や森林環境教育の場、市民参加や後継者育成に資する林業体験学習の場等を整備する「教育のもり整備事業」を実施しました。
 港湾整備については、環境と共生する港湾(エコポート)の形成を目指し、緑地などの整備を推進するとともに、海域環境創造事業において、水質・底質を改善するための汚泥しゅんせつや覆砂、生物・生態系に配慮した環境を形成するための干潟の整備などを実施しました。
 漁港漁村整備については、自然調和型漁港づくり推進事業の展開や漁村の生活環境改善を図るとともに、漁港環境整備事業等自然環境の適正な整備及び健全な利用を行うための事業を重点的に推進しました。また、沿岸漁場整備開発事業において、沿岸域の藻場・干潟の造成、ヘドロのしゅんせつ等を実施しました。
 また、自然環境、生態系保全の観点から、河川改修の際に、生物の生息・生育環境、自然環境に配慮した川づくりを行う「多自然型川づくり」、魚道の設置等により魚類の遡上環境の改善を行う「魚がのぼりやすい川づくり」、ダム直下流の無水区間の解消等を行う「ダム水環境改善事業」等を実施しました。
 さらに、治山事業については、豊かな環境づくりを目標として、生活環境を保全・形成し、地域住民等のやすらぎや潤いの場となる森林の整備や、地域の景観や生物の生息環境の維持・回復等に配慮した森林整備等を実施する環境保全保安林整備事業を213か所について計画的に推進しました。

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