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第5節 

4 海洋汚染の防止

 ロンドン条約に関しては、平成8年11月、廃棄物の海洋投棄に関する規制の強化を内容としたロンドン条約議定書が採択されたことを受け、これに的確に対応するための体制整備等を推進する。
 また、船舶による環境汚染を防止するために、船舶からの油流出防止のための研究開発及び船舶からの排気ガス浄化のための研究開発を推進するとともに、平成9年9月に、IMOにおいて、MARPOL73/78条約に船舶からの大気汚染の防止に関する規則(附属書?)を追加するための1997年の議定書が採択されたことを受け、これに的確に対応するための体制整備等を推進する。
 「海洋法に関する国際連合条約」(国連海洋法条約)に関して、我が国は、平成8年6月に同条約を締結し同年7月20日の海の日に発効した。同条約の締結を一つの契機として、我が国近海の開発利用状況等を踏まえ、関係省庁が連携して、海洋環境の総合的な調査の実施等の調査研究、東アジア地域の沿岸国間によって共有される海洋環境に関する情報交換の円滑化等の国際協力の推進等に努める。
 さらに、「1990年の油による汚染に係る準備、対応及び協力に関する国際条約」(OPRC条約)が平成8年1月に発効したことを受け、環境庁においては、同条約及び国家的な緊急時計画に基づき、環境保全の観点から油汚染に的確に対応するため、?油汚染事件により環境上著しい影響を受けやすい海岸島に関する情報を盛り込んだ図面の作成及び情報収集・提供システムの整備、?関係地方公共団体、環境NGO等に対し、事件発生時の環境保全面からの対応の在り方等に関する知識の普及、研修・訓練の実施、?油汚染事件発生時の傷病鳥獣の適切な救護体制の整備、?防除関係機関への情報提供、?段階的・継続的な環境影響調査の実施等を推進することとしている。
 また、油汚染事件への準備・対応に関する国際的な連携の強化、技術協力の推進等の国際協力に係る業務を推進する。
 世界気象機関(WMO)の主導で進められている、海洋汚染事故緊急対応支援システム(MPERSS)の枠組みの中で、地域気象センター(AMC)として、北西大平洋の各国事故処理機関に対し、漂流予測の情報や海洋気象情報を提供することとなっており、体制の整備を推進している。
 このほか、海洋環境保全に関する地域的な取組である北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)に関し、その地域調整ユニット(RCU)の我が国への誘致等に積極的に対応するとともに、我が国において第6回政府間会合を開催する。

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