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第5節 

1 地球温暖化の防止

 京都議定書における我が国の6%の削減目標については、当面、地球温暖化対策推進大綱に掲げた方針により達成していく。
 国際的には、京都議定書を遅くとも2002年(平成14年)までに発効させるため、本年11月にオランダのハーグで開催される気候変動枠組条約第6回締約国会議の成功を最優先課題とし、京都議定書の締結に必要となるルールや手続き等について確実に合意が得られるよう国際交渉の促進に積極的に貢献していく。また、京都議定書で規定されている附属書?締約国間の排出量取引や共同実施、途上国との間で排出削減のための事業等を行うクリーン開発メカニズム等について、国内制度化のための検討及び具体的なプロジェクトの発掘事業を行う。
 また、複数の締約国が協力して共同で温暖化対策を進める「共同実施活動」の実施、開発途上国に対する国際的な資金による援助(GEF等)や技術移転等が図られつつあるが、我が国としてもこのような国際的な取組に積極的に参加していく。
 共同実施活動については、気候変動枠組条約第5回締約国会議で1999年末以降もパイロットフェーズを継続することが決定されたことを受けて、「気候変動枠組条約に係るパイロットフェーズにおける共同実施活動に向けた我が国の基本的枠組み(共同実施活動ジャパン・プログラム)」に基づき、温室効果ガスの排出削減・吸収増大に資する共同実施活動プロジェクトの形成・推進に努めていく。
 共同実施やクリーン開発メカニズムを積極的に活用するため、途上国、ロシア、東欧地域を中心として個別プロジェクトの事業化に向けたフィージビリティ・スタディを実施するなど、有望なプロジェクトの発掘・支援に努めていく。
 また、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、気候変動枠組条約が必要とする学術的な情報を提供することとし、2001年(平成13年)に完成予定の第3次評価報告書に加え、適切な時期に特別報告書、技術資料等を公表することとしている。また、温室効果ガス排出・吸収量世界標準算定方式を定めるために我が国に設立されたインベントリータスクフォースの活動については、引き続きこれらの報告書等の執筆に専門家を参加させるとともに、インベントリータスクフォースの中核的機能を引き続き担っていくなど、IPCCの活動に対する人的、技術的、資金的な貢献を行う。

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