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第7節 

1 計画の策定

(1)公害防止計画の策定状況

 公害防止計画は、環境基本法第17条の規定に基づき、現に公害が著しい地域等において、内閣総理大臣の策定指示により関係都道府県知事が作成し、内閣総理大臣により承認される計画であり、同計画の基本方針は、環境基本計画を基本として策定することになっている。
 公害防止計画は、昭和45年12月から昭和52年1月までの間に全国の主要な工業都市や大都市地域のほとんどについて策定された。昭和52年以降は計画期間が終了したものについて地域の実情に応じて見直し等を行い、現在全国34地域において策定されている(4-7-1表4-7-1図)。




(2)公害防止計画策定地域の概要

 公害防止計画が策定されている地域は、全国の主要な工業都市及び大都市地域をカバーしている。これら公害防止計画策定地域が全国に占める割合は面積で約8%、人口で約53%、製造品出荷額等で約56%となっている。

(3)平成11年度策定地域公害防止計画の策定

ア 平成11年度策定地域公害防止計画の策定指示及び承認
 平成10年度末をもって計画期間が終了した仙台湾地域等5地域について、平成11年10月15日に内閣総理大臣が、新たな公害防止計画策定の必要性があるとして、計画策定の基本方針を示して関係県知事に対し計画の策定を指示した。
 平成11年度策定地域の関係県知事は各地域に係る基本方針に基づいて公害防止計画を作成し、平成12年2月24日に内閣総理大臣が各地域の公害防止計画の承認を行った。

イ 平成11年度策定地域公害防止計画の概要
 平成11年度策定地域公害防止計画の概要は次のとおりである。
(ア)地域の範囲
 これら5地域の範囲は、それぞれ4-7-2表に示すとおりである。


(イ)計画の目標
 計画の目標は大気汚染、水質汚濁、騒音、土壌汚染等に係る環境基準等であり、本計画が、公害の防止を通じ環境基本計画に定める長期的な目標の達成に資するものであることを踏まえつつ、各種公害防止施策の推進により、目標が全体として計画期間を目途に達成されるよう努めるものとしている。
(ウ)計画の期間
 計画の期間は平成11年度から15年度までの5年間としている。
(エ)公害の防止に関する施策
 事業者は、大気汚染、水質汚濁等の防止のための措置を講じることとしており、また、地方公共団体等は、発生源等に対する各種規制、環境影響評価、立地指導、土地利用の適正化、中小企業対策等の施策を講じるとともに、下水道整備、緩衝緑地等整備、廃棄物処理施設整備、学校環境整備、しゅんせつ・導水、公害対策土地改良、監視測定体制整備等の公害対策事業及び公園・緑地等整備、交通対策、地盤沈下対策等の公害関連事業を併せて実施することにより、計画の総合的な推進を図ることとしている。
 特に、各地域において重点的に取り組むべき主要課題については、必要に応じて公害対策事業に係る整備水準の目標等施策に関する数量的な目標を設定するとともに、新規施策の導入を含めた実効性のある施策を講ずる等、施策の拡充、強化を図っている。
 また、公害防止計画の策定に当たっては、本計画の実施を通じて環境基本計画に定める長期的な目標の達成に資するよう配慮している。
(オ)経費の概要
 公害の防止に関する施策を実施するために、計画期間内に、これらの地域で必要とする経費の見込額は、事業者が講じる措置については477億円、地方公共団体等が講じる施策については、公害対策事業について6,627億円、公害関連事業について3,678億円と見込まれている。

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