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第6節 技術開発等に際しての環境配慮及び新たな課題への対応

 マイクロエレクトロニクス、新素材、バイオテクノロジー等のいわゆる先端技術を中心とした技術の開発・利用に伴い、発生源、排出形態、影響の面で新たなタイプの環境汚染の可能性が指摘されており、先端技術の産業利用に当たっては、環境面への影響を事前に十分検討して将来環境問題が生ずることがないよう配慮していくとともに、先端技術の成果の環境保全分野への応用を積極的に図っていくことが重要である。
 バイオテクノロジーのうち遺伝子組換え技術については、従来より、実験段階における安全確保のための指針及び産業利用に係る指針が関係省庁より公表され、組換え体の閉鎖系利用及び開放系利用が開始されている。組換え植物の開放系での利用については、平成11年度末までに、我が国では79件の野外試験が行われており、トマト、イネ、ダイズ等について、組換えDNA実験指針(科学技術庁)及び農林水産省の指針に基づいた段階的な安全性確認、野外試験等による生態系影響評価等が行われ、国内の一般ほ場での栽培または加工利用を目的とした種子の輸入が可能となっているものがある。
 なお、これまで、遺伝子組換え技術等バイオテクノロジーの開発・利用により、環境保全上特段の問題が生じた事例は報告されていない。
 また、環境庁では、中央公害対策審議会企画部会バイオテクノロジー専門委員会によりとりまとめられた「遺伝子操作生物の開放系利用に係る環境保全の基本的考え方(平成3年12月)」を踏まえ、環境影響評価のための技術的事項や具体的行政措置の在り方について、科学的知見の進展とバイオセイフティ議定書策定交渉等の国際的な議論の動向に十分留意しつつ、引き続き検討していくこととしている。
 近年注目されているバイオレメディエーション(生物を用いた環境修復技術)については、環境庁においては、その健全な利用を促進するため、漂着油による海岸汚染の浄化への利用に関する指針について検討等を行っている。また、通商産業省においても、バイオレメディエーションに関する研究開発等を実施している。また、国立環境研究所においては、環境保全研究に有用な微生物の遺伝子保存等に関する研究基盤整備を行うとともに、バイオレメディエーションの研究開発及びその利用に伴う環境影響評価手法に関する研究を実施している。

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