前のページ 次のページ

第5節 

3 国における基盤整備等

 環境汚染の監視及び調査研究の基盤となる各種測定分析業務の的確な推進に資するため、環境測定分析統一精度管理調査を実施した。
 この調査は、均一に調製された環境試料を全国の環境測定分析機関に送付し、その分析結果と前処理条件、測定機器の使用条件等との関係その他分析実施上の具体的な問題点等の調査を行うことにより、?分析機関におけるデータのばらつきの程度の実態を把握し、?分析機関の分析者が自己の技術を客観的に認識し、環境測定技術の向上を図る契機とするとともに、?各分析法についての得失を明らかにして分析手法、分析技術の改善を図り、もって環境測定分析の信頼性の確保に資することを目的として実施した。
 平成10年度は、水質試料中のふっ素、ほう素、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素、鉛、セレン、フタル酸ジエチルヘキシル、フェニトロチオン、イソプロチオラン並びにイプロベンホスについて、また、ばいじん及び底質試料中のダイオキシン類について調査を実施した。
 また、科学技術振興調整費による生活・社会基盤研究の生活者ニーズ対応研究において「自然環境にやさしい社会の実現」、「廃棄物の減量・処理などリサイクルを考えた社会の実現」、「効率的で環境にやさしいエネルギーの開発」等の研究領域を設定し、関係省庁の連携のもと、これらに対応した研究課題の推進を図った。
 文部省においては、大学等において地球環境問題に関連する幅広い学術研究の推進や大学等の研究施設の整備・充実を図るとともに、関連分野の研究者の育成を行った。また、地球環境問題の解決を目指し総合的なプロジェクト研究を推進する地球環境科学研究所(仮称)の準備調査を行った。
 また、科学研究費補助金の特定領域研究において「対流圏化学グローバルダイナミクス」等の領域を設定し、環境に関する基礎研究を推進するとともに、私立大学が内外の研究機関と行う環境分野等の共同研究を支援する学術フロンティア推進事業等により研究の推進を図った。

前のページ 次のページ