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第3節 

1 経済的助成

 事業者の公害防止施設整備等の一層の促進を図り、公害防止の実効を確保するため、環境事業団、日本開発銀行、中小企業金融公庫等の各種の政府関係機関等のそれぞれの特色に応じた助成を推進する。
 また、都市における大気汚染対策緑地の整備、産業立地の適正化等各種の公害防止のための事業助成を引き続き推進するほか、中小企業が円滑に公害防止を実施できるよう指導・相談、技術開発に係る助成等の充実を図る。
(1) 環境保全事業の助成
ア 環境事業団
 環境事業団では、平成10年度において、新たな事業計画として646億円(建設譲渡事業316億円、融資事業330億円、いずれも契約ベース)を予定し、事業者等の環境保全等を推進する。なお、新規事業及び過年度事業を実施するために必要な資金として563億円を予定している。
イ 日本開発銀行
 日本開発銀行では、平成10年度においては、新たに創設された環境マネジメントシステムの導入に伴う環境対策関連設備投資に対する低利融資制度をはじめとした環境対策関連融資制度に加え、再資源化のための共同事業に対する出資制度を活用することにより、引き続き環境対策の促進を図ることとする。
ウ 金属鉱業事業団
 「金属鉱業等鉱害対策特別措置法」に基づく使用済特定施設に係る鉱害防止事業費、鉱害防止事業基金への拠出金及び「鉱害防止事業費事業者負担法」による事業者負担金に対する融資を行う。
エ 政府関係中小企業金融機関
 平成10年度において、新たに創設された環境マネジメントシステムの導入に要する資金及びそれに伴う環境対策関連設備投資に対する低利融資制度をはじめとした環境対策貸付け等を行う。
オ 中小企業事業団
 中小企業が共同で公害防止事業を実施するために、共同公害防止等事業及び公害防止設備リース事業等を行う場合には、中小企業事業団が都道府県を通じて高度化融資を行う。
カ その他
? 中小企業地域情報センター等が、中小企業に対して省エネルギーやオゾン層保護等の環境問題に対処していく上で有用な情報を提供する事業を行う。
? 都道府県等が中小企業に対して環境問題への対応を診断指導する事業を行う。
(2) 税制上の措置
 平成10年度においては、以下の税制改正措置を講じる。
ア 国税関係
? 公害防止用設備に係る特別償却措置について、大企業が取得する対象設備について基準取得価額要件を設けるとともに、更新投資及び大企業の新増設投資に係る性能基準の見直しを行うほか、対象設備の見直しを行った上、適用期限を延長する。
? 再生資源分別回収設備に係る特別償却制度の適用期限を延長する。
? 再商品化設備等の特別償却制度について、対象設備の見直し等を行った上、その適用期限を延長する。
? エネルギー需給構造改革推進投資促進税制について、基準取得価額要件及び対象設備の見直しを行った上、その適用期限を延長する。
? 事業協同組合等が環境事業団から譲り受けた土地を組合員等に再譲渡する場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を延長する。
? 中小事業者を対象とした「自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」に規定する特定自動車排出基準適合車への買い換えに係る特別償却措置又は税額控除措置を延長する。
イ 地方税関係
? 公害防止用設備に係る固定資産税の軽減措置について、優良更新代替設備に係る性能基準を引き上げ、対象設備の見直しを行った上、適用期限を延長する。
? 公害防止用設備に係る特別土地保有税の非課税措置の適用期限を延長する。
? 廃棄物再生処理用設備に係る固定資産税の軽減措置について、対象設備の見直しを行った上、適用期限を延長する。
? 平成11年自動車排出ガス規制に適合した自動車に係る自動車取得税の軽減措置を新設する。
? 「自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」に規定する特定自動車排出基準適合車への買換えに係る自動車取得税の軽減措置の対象車を拡充する。
? ハイブリッド自動車に係る自動車取得税の税率の特例措置の対象範囲を拡充するとともに、その適用期限を延長し、バス・トラックについては2.4%、その他の自動車については2.0%を軽減する措置を講じる。
? 中小企業者が環境事業団から譲渡を受けた集団設置建物に対する資産割に係る事業所税の非課税措置の適用期限を延長する。
? 大阪湾臨海地域開発整備法に規定する開発地区において整備される中核的施設に係る特別土地保有税の非課税措置について、適用期間を整備計画の承認の日から10年(現行5年)とするとともに、承認期限を延長する。
? 大阪湾臨海地域開発整備法に規定する開発地区において整備される中核的施設に対する新増設に係る事業所税の非課税措置及び資産割の課税標準の特例措置について、適用期間を整備計画の承認の日から7年(現行5年)とするとともに、承認期限を延長する。

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