地球環境保全等に関する調査研究については、地球圏・生物圏国際共同研究計画(IGBP)、世界気候研究計画(WCRP)、地球環境変動の人間的側面研究計画(IHDP)等の国際的な研究計画に参加・連携しつつ、地球環境研究総合推進費等により積極的に推進する。
また、アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)の枠組みを活用し、地域内の研究活動等の支援を行うなど、共同研究の推進に向けて積極的に貢献する。
建設省においては、地球環境の現状と変動を把握するため、国土地理院を中心に全地球空間データ基盤(GSDI)の構築に向けて地球地図国際フォーラムを創設し、各国地図作成機関等の結集を図る。
監視・観測については、国連環境計画(UNEP)における地球環境モニタリングシステム(GEMS)等の国際的モニタリング計画に参加・連携して実施する。また、人工衛星による地球観測については、地球観測衛星委員会(CEOS)等の活動と十分整合性を図った衛星の開発、打ち上げ、運用等を推進する。特に、平成8年8月に宇宙開発事業団により打ち上げられた地球観測衛星「みどり」に搭載された観測機器により得られたデータを活用し、国際的な連携・協力のもとに地球環境の観測・監視及び関連する研究を推進する。
温室効果ガス、オゾン層、オゾン層破壊関連物質及び有害紫外線については、世界気象機関(WMO)の全球大気監視(GAW)計画に基づいて引き続き定常的な観測を実施する。
また、気象庁では、WMO温室効果ガス世界資料センターとして全世界の温室効果ガスのデータ収集・管理・提供を引き続き実施するとともに、WMO品質保証科学センターとしてGAW計画に係わるアジア・南西太平洋域における観測データの品質管理業務を実施する。
上記の監視・観測計画を基盤として、気候変動の検出、生態系への気候変動の影響監視能力の向上等を図るための総合観測システム構築を目指した全球気候観測システム(CEOS)等が推進されており、我が国もこれらの計画に積極的に参加することとしている。
さらに、環境庁においては、アジア地域における環境測定分析に係る精度管理技術の向上を図るための支援事業を積極的に推進する。