国は、環境基本計画に掲げられた各種施策を実施するため、必要な財政上の措置その他の措置を講ずる。
国の各省庁の予算のうち、環境保全に関係する予算については、環境庁においてその見積り方針の調整を行い、環境保全経費として集計している。平成7年度の環境保全経費の規模は、総額2兆5,987億円で、前年度の当初予算に比べ、6,933億円、36.4%の増となっている(なお、平成7年度環境保全経費の対象範囲は、環境基本計画に沿って整理しており、前年度の当初予算について、平成7年度における環境保全経費と経費の対象範囲をそろえた上で比較すると、863億円、3.4%の増となっている。)。
財政投融資対象機関等の環境保全関係事業費は、事業規模又は貸付規模の総額において、3兆2,453億円となっており、前年度の当初計画額に比べ、3,361億円、11.6%の増となっている(但し、これらの額には財政投融資対象機関のうちで環境保全関係事業費が明示されていないものの額は含まれていない。)。
各省庁別の環境保全経費は第6-3-1表、事項別環境保全経費は第6-3-2表のとおりである。なお、平成7年度の環境保全経費のうち、地方公共団体等への補助金は、総額約1兆9,328億円である(個別の補助金については、各論の該当部分を参照されたい。)。
特に、環境基本計画の実施に直接係わる補助として、平成7年度から、環境基本計画に掲げる四つの長期的目標に向けた地方公共団体の環境施策に関する創意工夫の促進及び環境保全に関するアイデアの掘り起こしを図るため、地方公共団体が実施する環境政策の総合的かつ計画的な推進を計画から具体的事業や活動の実施までの広範なレベルで支援する。この支援措置として平成7年度には、10億円(国費ベース)を計上した。
また、以上のような事業に伴う各省庁の補助金に加え、ごみの減量化・リサイクルの推進、生活排水対策、環境教育、緑化対策等地方公共団体が地域の実情に応じて行う環境の保全・創造のためのソフト事業を推進するため、平成7年度の地方財政計画において環境保全対策経費として2,330億円(対前年度比130億円増)を計上し地方交付税措置を充実するほか、さらに、地方公共団体が行う環境対策に資する以下のような施設整備等について、地方債も含めた地方財政上の支援措置を講じることとしている。
? 省資源化・リサイクル推進のための一般廃棄物処理施設及び住民活動を支援する施設の整備。
? 生活排水対策のための公共下水道・農業集落排水施設の管渠整備及び河川等の水質浄化に資する施設整備並びに、小規模集落排水処理施設及び市町村が公営企業として設置、管理する個別合併処理浄化槽。
? 地域における生態系の保全及び自然とのふれあいの増進のための保全すべき森林の公有化、地域の環境と調和したまちづくり及び地域における緑化事業。
? 未利用エネルギーの有効活用の推進のための「ごみ発電」、「スーパーごみ発電」、「ごみ固形燃料発電」、水道事業・工業用水道事業における水路の落差を利用した「小水力発電」並びに「風力発電」。
? 公営バスとして最新排出ガス規制適合車及びハイブリットバス等低公害車の購入。