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第2節 調査研究、監視・観測等に係る国際的な連携の確保等

 地球環境保全等に関する調査研究については、「地球圏・生物圏国際協同研究計画(IGBP)」、「世界気候研究計画(WCRP)」、「地球変動の人間的次元国際協同研究計画(HDP)」等の世界的な研究計画との連携を図りつつ、地球的規模の諸現象の解明研究、人間活動と地球環境の相互関係に関する研究を始め、自然科学に人文・社会科学的視点を含めた学際的な研究等を積極的に推進する。
 特に、開発途上国等の研究組織との共同研究を積極的に進めるとともに、地球環境研究に関する国際的な人材交流を促進し、研究レベルの相互向上を図るため、地球環境研究総合推進費を拡充する。
 さらに、アジア太平洋地域において、地球変動に関して効率的、効果的な国際共同研究を推進するため、「アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)」の充実を図ることとし、地域として取り組むべき共同研究課題の実施に向けた検討を主導的に進める。その際、APNと南北アメリカ地域、あるいは欧州アフリカ地域のネットワークとの連携も図っていく。
 監視・観測については、国連環境計画(UNEP)における地球環境モニタリングシステム(GEMS)等の国際的モニタリング計画に参加・連携した観測等を行う。
 さらに、渡り鳥等の保全のための調査のネットワークを構築するため、バンディングや衛星発信機を利用した共同調査等を引き続き推進していく。
 また、人工衛星による地球観測については、地球観測衛星委員会(CEOS)等の活動と十分整合性を図った衛星の開発、打ち上げ、運用等を推進する。
 温室効果気体、オゾン層破壊物質、オゾン層及び有害紫外線については、世界気象機関(WMO)の全球大気監視(GAW)計画に基づいて引き続き定常的に実施する。
 また、全世界の温室効果気体のデータ収集・管理・提供を引き続き実施するとともに、GAW計画に係わるアジア太平洋域における観測データの品質管理業務を新たに開始して、「WMO温室効果気体世界資料センター」としての機能を強化する。
 上記の観測・監視計画を基盤として、気候系の監視、気候変動の検出、生態系への気候変動の影響監視、モデルによる予測能力の向上等を図るための総合的観測システム構築を目指した全球気候観測システム(GCOS)等が推進されており、我が国もこれらの計画に積極的に参加することとしている。

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