2 野外活動・休養施設、身近な自然とふれあう施設等の整備
(1) 国民宿舎
国民宿舎は、自然環境に恵まれた休養適地における、国民の低廉かつ快適な宿泊休養を目的とした施設である。平成5年度末の宿舎数は283か所であり、5年度の利用者数は870万人であった(第7-5-3表)。
(2) 国民保養センター
国民保養センターは、自然公園等の休養適地に主として地域住民の日帰りレクリエーション活動と保健休養を目的とした施設である。平成5年度末のセンター数は62か所であり、5年度の利用者数は323万人である(第7-5-4表)。
(3) 自然環境保全活動拠点
−環境と文化のむら、ふるさといきものふれあいの里・ふるさと自然のみち−
トンボ、ホタル等の小動物が生息する地域、里山の緑、水辺環境等身近な自然が一定の広がりを持って残されている地域において、自然を保全しつつ、自然教育を推進するための拠点として「環境と文化のむら」及び「ふるさといきものふれあいの里」の整備を進めている。
事業は、活動の中心となるネイチャーセンターを始め、動植物観察施設、生態系保全施設等を整備するもので、その運営にあたってはボランティア参加等による自然解説・指導等を行っている。平成6年度は「環境と文化のむら」4地区、「ふるさといきものふれあいの里」3地区の整備を行った。
また、平成6年度から新たに身近な自然の地域において、自らの足で「歩く」ことにより自然と文化に親しむことのできるふれあい歩道や利用案内を行う活動の中心となるウォーキングセンターの整備を3地区において「ふるさと自然のみち」として行った(第7-5-5表)。
(4) 長距離自然歩道
長距離自然歩道は、国民が広く自らの足で自然や史跡などを訪ねることにより、健全な心身を育成し自然保護に対する理解を深めることを目的とするもので、自然公園や文化財などを有機的に結ぶ長距離にわたる自然歩道として、昭和45年度から整備を進めている。四季を通じて利用できるよう、また、安全で快適に利用できるよう配慮しつつ、整備を行っており、総延長は約1万4,000kmに及んでいる。
なお、その利用者数は、平成5年には3,538万人に達した。それぞれの概要は第7-5-6表のとおりである。
(5) 保健保安林、レクリエーションの森
生活環境保全機能及び保健休養機能の高い森林について、保健保安林の指定を積極的に行い、その利用のための施設整備につき助成したほか、環境保全保安林整備事業を推進した。公衆の保健及び風致の保存を目的とする保健保安林及び風致保安林は約60万haであり、適正な配備を図るとともに、生活環境の保全・形成を図るため、保安林の造成改良等の森林整備(229か所)及び森林の買入れ(3か所)を実施したほか、保健保安林の基礎整備の一環として、施設整備(20か所)を行った。
国有林野のうち国民の保健及び休養の用に供するために指定された自然休養林をはじめとするレクリエーションの森(約41万ha)については、定期的な整備及び維持管理を行い、森林の保健休養機能の積極的な発揮を図った。
また、平成6年度は森林の有する保健・文化的機能を高度に発揮するため、国有林野に各種森林レクリエーション施設を総合的に整備するヒューマン・グリーン・プランを新たに2か所指定し、全国26か所において整備を実施した。
(6) 「山村で休暇を」特別対策実施地域
都市住民などが山村に滞在して余暇を過ごすことを促進し、山村の活性化を図るため、森林の中を散策できる空間や交流のための基盤となる施設などの整備を20地域で実施した。
(7) 家族キャンプ村
家族キャンプ村は、国民の自然志向の高まりと観光レクリエーション需要に対応して地域住民が手軽に利用できる低廉なオートキャンプ施設を中心とした観光基盤施設である。恵まれた自然の中に自然環境保全に十分配慮しつつ整備を行うことにより、人々と豊かな自然との触れ合いの場を確保するとともに地域振興に資するものである。
平成6年度は北海道南富良野地区、和歌山県小口地区、山口県らかん高原地区の整備に着手した。
(8) 家族旅行村
家族旅行村は、主として家族が恵まれた自然の中で手軽に利用できる観光レクリエーションの場を確保するとともに、あわせて地域の振興に資することからその整備を進めており、平成6年度においては、5地区の整備を推進している。
(9) 少年自然の家
少年自然の家は、少年を自然に親しませ、集団宿泊活動を通じてその情操や社会性を豊かにし、心身を鍛錬し、もって健全な少年の育成を図ることを目的とする社会教育施設である。国立少年自然の家については、これまでに全国に14ヵ所整備する計画の下に順次その建設を進めてきたが、平成3年度においてその設置を終了した。また、引き続き既設国立少年自然の家の施設整備を行った。