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第1節 

8 その他の汚染物質

 近年、粒子状物質については、単にその量だけでなく、成分等その質的な面で注目されている。全国の主要地域に設置されている国設大気汚染測定所においては、前述の常時監視測定されている物質以外に、ハイボリウムエアサンプラーにより採取した浮遊粉じん中の成分(ベンゼン可溶性物質、硫酸根、硝酸根、バナジウム等重金属、ベンゾ(a)ピレン等)及びローボリウムエアサンプラーにより採取した浮遊粒子状物質中の成分(アルミニウム、バリウム等31元素)の分析を行っているほか、昭和57年度からは水銀についても測定、分析を実施している。
 また、その他に長期的に推移を把握していく必要のある大気汚染物質については、昭和60年度から未規制大気汚染物質モニタリング調査を実施している。平成5年度においては、平成3年度と同様、アスベスト(石綿)、水銀及び有機塩素系溶剤(トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素等)について調査を実施している。
 平成5年度の調査結果では、アスベスト(石綿)及び水銀については、前回の調査結果と比較すると概ね低い値であった。有機塩素系溶剤については、住宅・商業地域及びバックグラウンド地域においては概ね低い値であったが、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンの発生源の敷地境界及びその周辺においては高濃度事例が見られた。今後とも引続きモニタリングを実施するとともに、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンについては、発生源の実態把握等に努めることが必要である(第2-1-6表)。

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