1 河川の環境整備
(1) 河川の環境整備
河川を環境という観点からとらえた基礎情報の収集整備のため、河川に生息する生物の調査、河川空間の利用実態の調査等を行う「河川水辺の国勢調査」を実施する。また、河川環境に関する専門的知識を有する地域の方々の参加を得る「河川環境保全モニター制度」により、きめ細かい河川環境の管理を実施する。
河川の高水敷等を整備し、水と緑の公共空間として地域住民に憩いとレクリエーションの場を提供するため、河川空間管理に係る河川環境管理基本計画に基づき河川の自然環境の適正利用のための施策を推進するとともに、環境に配慮した河川の整備を行い、良好な水辺空間の形成を図る事業及びプレジャーボートの不法係留によって生じる河川管理上の阻害を防ぎ適正な河川の利用を図るため、水門、船だまり、河川利用案内標識等の整備等を行う事業を実施する。
また、うるおいのある水辺空間の保全並びに形成を図るため、周辺の景観や地域整備と一体となった、治水施設等の整備を行う従来のモデル事業を6年度から統合して行う「ふるさとの川整備事業」、河川の改修と市街地整備を併せて行う「マイタウンマイリバー整備事業」、堤防の強化を併せ側帯上に植樹を行う「桜づつみモデル事業」、生物の良好な生育環境に配慮し、あわせて美しい自然景観を保全あるいは創出する「多自然型川づくり」、河川横断施設とその周辺の改良、魚道の設置などにより魚類の遡上環境の改善を行う「魚がのぼりやすい川づくり推進モデル事業」、世代、障害の有無等を越えてすべての人にやさしい河川環境の整備を行う「まほろばの川づくりモデル事業」を実施する。
(2) ダム周辺の環境整備
ダム貯水池周辺において整地、法面保護、緑化対策等の基盤整備を図り、水と緑のオープンスペースとしてダム湖を活用し、親水性を向上させるためのダム湖活用環境整備事業(従来のダム周辺環境整備事業とダム湖活用促進事業を平成6年度より統合)を新たに下条川ダム等3ダムを加え、合計38ダム(事業費32億5,085万円)で実施する。また、ダム周辺の魚類の生態系を含む河川環境の回復を目的としたダム水環境改善事業を新たに荒瀬・瀬戸石ダムを加え、合計5ダム(事業費9億4,150万円)で実施する。
さらに、堆砂対策と併せて常時一定水位で利用可能な湖面を創出し、ダム湖の親水性を向上させるレクリエーション湖面整備ダム事業を1ダム(事業費9億6,800万円)において実施する。また、地方公共団体等が事業主体となるレクリエーション事業と一体となって共同ダム事業を行うレクリエーション多目的ダムとして3ダム(事業費29億4,346万円)において実施する。
(3) 砂防設備周辺の環境整備
都市周辺の溪流において、自然環境との調和を図り、緑と水辺の空間を確保し、生活環境の整備を行うため、事業費15億3,300万円で23溪流において、高水敷の整備、緑化等を行い、特にこの中で歴史に残る砂防設備を積極的に保存する「砂防学習ゾーン・モデル事業」を実施する。
さらに、土砂災害の防止とあわせて溪流における景観・生態系等の自然環境を保全する砂防事業を推進するため、「溪流環境整備計画」を策定する。