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第3節 廃棄物処理対策

 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」及び「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律」に基づき、廃棄物の適正な処理を促進する。
 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づく廃棄物の最終処分に関する基準については、平成5年11月30日に環境庁長官から中央環境審議会に対し「廃棄物の最終処分に関する基準の一部改正等について」諮問を行っており、同審議会の答申を待って、その強化等について法制度面における検討を行う。
 また、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」を適切に施行、運用することにより、廃棄物の減量化・再生の推進、適正処理の確保、処理施設の整備を図る。
 ごみの減量化・再生利用を推進するためのハード面の施策として、廃棄物循環型処理を推進する。具体的には、リサイクルプラザ(ごみの資源化と併せて不用品の補修及び再生品の展示等を行う施設)及びリサイクルセンター(資源ごみとして収集された罐、びん等を選別して再生するための施設)と焼却施設等の中間処理施設とを一体的、総合的に整備するとともに、外部に電力や熱を供給する焼却施設等の整備の促進を図る。
 また、ソフト面の施策として、市町村が実施する、分別収集等のごみの減量化・再生利用に資する施策への支援を引き続き実施する。
 さらに経済的手法等を活用したごみの減量化・再生利用の促進方策について、生活環境審議会において引き続き検討を行う。
 最終処分場の確保が特に困難となっている大都市圏のうち、大阪湾圏域においては、大阪湾広域臨海環境整備センターが行う広域処理場整備の促進及び埋立の円滑な実施を図ることとしている。また、東京湾圏域においては、広域処理場整備に関する調査を行うとともに、関係地方公共団体間の調整を行う。中部圏及び北部九州圏においても広域処理場整備に関する調査を行う。さらに、最終処分量を削減し、最終処分場の延命化を図る上で有効な焼却灰等の溶融資源化施設の大都市圏における整備を広域的・計画的に推進する。
 合併処理浄化槽、コミュニティプラント等の生活排水処理施設については、市町村の策定する生活排水処理計画に基づき、計画的な整備を推進する。合併処理浄化槽は短期間で容易に設置でき、生活排水による公共用水域の水質汚濁防止のための有効な手段であることから、合併処理浄化槽に対する補助事業を引き続き拡充する。また、合併処理浄化槽を中心とした生活排水処理計画の策定、適正な維持管理体制の整備、浄化槽汚泥の減量化・再生等を住民参加により総合的に推進するモデル事業(アクア・エコ・ビレッジ構想)を引き続き実施する。
 また、平成6年度からは、浄化槽汚泥等の再利用技術の動向等に関する調査等を行う「浄化槽汚泥の適正な再生利用に関する研究」を実施する。
 産業廃棄物の処理については、従来から実態の把握、調査研究等を進めてきたところであるが、平成6年度においては、不法投棄等の不適正処理を防止するため、新たに、マニフェストをコンピュータ等で管理するなど情報管理システムの構築を図り、不法投棄が行われた場合の原状回復の方策の検討を引き続き行う。また、1993年11月のロンドン条約締約国協議会議において、産業廃棄物の海洋投入を1996年1月1日から、一部を除いて禁止する等の条約附属書改正が採択されたことを受け、所要の対策を推進する。さらに、処理法等が問題となっている産業廃棄物については、その処理に係るガイドラインを策定し、有害廃棄物については、特別管理産業廃棄物の指定を拡大し、各種基準の設定等、管理の強化を図る。また、廃棄物処理センターの指定、産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律による特定施設の認定、環境事業団の建設譲渡事業等により、産業廃棄物処理施設の整備を促進する。
 国立公衆衛生院において、特に、緊急の課題となっている最終処分場の適正管理技術の研究開発等を推進する。
 通商産業省においては、今後の産業廃棄物の処理及び再資源化対策に必要な各種の試験研究及び調査研究を行う。また、(財)クリーン・ジャパン・センター等各種民間の再資源化推進機関を通して、再資源化に関する各種実験等及び調査研究事業の推進を図る。
 環境庁においては、廃棄物の減量化及び環境への負荷の低減を図るため、リサイクルの促進に関する各種普及啓発事業及び調査研究を行うとともに、「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」に規定される有害廃棄物等の処分基準に関する調査、廃棄物埋立跡地管理の適正化に関する調査、廃棄物有害性除去新処理技術の評価に関する研究等を行う。
 水産庁では不用となった漁業系資材の有効利用を図るためのリサイクルシステムの基本計画を策定する。
 建設省においては、再生材の利用促進を図るための技術基準を整備するとともに、平成5年度に策定した建設副産物対策行動計画(リサイクルプラン21)に基づき、引き続き発生抑制、再利用の促進、適正処分の徹底を基本とした総合的な施策を推進する。

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