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第8節 緑化推進運動への取組

 関係9省庁からなる緑化推進連絡会議(議長内閣官房長官)を中心に、国土の緑化に関し関係行政機関相互の緊密な連絡を図り、総合的かつ効率的な施策を推進し、全国的な幅広い緑化推進運動の展開を図っているところであり、「みどりの日」、「みどりの週間」を中心とする各種行事等を通じ、みどりに対する国民意識の高揚を図るとともに、自然とのふれあいの増進、国民参加の森林づくりの推進、みどりを通じた地域の活性化、都市における緑化の推進、さらには、地球環境保全等各般の施策を行うこととした「平成5年度緑化推進運動の実施について」を取りまとめ、以下のような施策を実施し、運動の一層の展開と定着化を図った。
(1) 「小鳥がさえずる森づくり運動」等の推進
 身近な場所に実のなる木等野鳥の好む樹木等を保全又は植栽し、野鳥の観察のための施設を整備することにより、野鳥の生息に適した環境の創出と野鳥に親しむ場の整備を図る「小鳥がさえずる森づくり」運動を推進し、特に優れた森づくりを実施した地方公共団体等の表彰を行った。
 また、民間資金による緑化を進めるため、(社)ゴルファーの緑化促進協力会の協力を得てゴルファーによる緑化協力運動を推進した。
(2) 学校環境緑化促進事業の実施
 大気汚染地域等の公立義務教育諸学校の校庭等に植樹芝張を行う学校環境緑化促進事業を、児童生徒の健康増進特別事業(平成5年度国費8億9,516万円)のメニューの一つとして実施した。
(3) 国土緑化運動等の推進
 国民の国土緑化思想の高揚を図り、国土緑化を推進するため、全国植樹祭等を開催する事業に助成したほか、森林を多目的に利用する計画の策定、国民参加の森林づくりを推進する仕組みの構築とその普及、緑の少年団の育成等青少年に対して緑化思想の普及啓発を行う事業を推進した。
 また、緑化に関する技術開発、保健・休養、文化、教育等の高度利用を図るモデル森林の整備改良、多様な植栽空間に対応した環境緑化用樹種の開発・普及及び樹木医の養成・確保、巨樹・古木林等の保全技術の確立・普及、樹木の戸籍調査等を行う事業に助成した。
 さらに、都道府県が行うモデル的緑地造成に助成するとともに、「みどりの日」、「みどりの週間」を中心に、緑化活動や緑の羽根募金運動等を全国的に展開した。
(4) 工場緑化等の推進
 「工場立地法」に基づき工場緑化の推進に努めるとともに、都道府県を通じ工場緑化のコンサルティング、研修会の開催、啓蒙普及書の配布等の指導を実施したほか、緑化等により環境の向上に顕著な功績のあった工場に対し通商産業大臣表彰を行った。また、緑地等の設置を行う工場について日本開発銀行及び中小企業金融公庫から融資を行っている。
 また、森林資源の保護等に寄与する古紙の回収・利用の促進を図るため、古紙利用製品にマークを表示し、これを一定点数集めた幼稚園、学校、自治会等に苗木・球根または古紙利用製品等を贈るグリーンマーク制度を(財)古紙再生促進センターを通じ実施している。
(5) 都市緑化の推進
 都市の緑化の推進については、国民の都市緑化意識を高揚し、国民が広く参加し得る緑化推進運動が全国的に展開されるよう、?春季における都市緑化推進運動期間(4月〜6月)及び「みどりの日」(4月29日)、「みどりの週間」(4月23日〜29日)並びに都市緑化月間(10月)等における都市緑化に関する各種行事の実施、?海の中道海浜公園における第4回全国「みどりの愛護」のつどいの開催、?茨城県立偕楽園及び水戸市立千波公園における第10回全国都市緑化フェア並びに全国都市緑化祭の開催、?「緑のデザイン賞」、「花のまちづくりコンクール」等顕賞制度の実施、?緑の相談所の整備、?緑化協定の締結指導、?(財)都市緑化基金及び地方都市緑化基金の拡充等を実施した。
 さらに、都市部におけるがけ崩れ対策においては、崩壊対策を行う際、既存の樹木等を保護するとともに、新たに植物を導入し、斜面緑化を行うことにより都市の緑の増化と防災性の向上を併せて図った。

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