1 土壤汚染の現況
「農用地の土壤の汚染防止等に関する法律」に定められた特定有害物質による農用地の土壤汚染の実態を把握するため、昭和46年度から、汚染のおそれのある地域を対象に、農用地土壤汚染防止対策細密調査(細密調査)が実施されており、平成4年度においては、カドミウムに係る調査が6県12地域、667haにおいて実施され、銅に係る調査が1県1地域1haにおいて実施された(砒素に係る調査は実施されていない)。この結果、新たに対策地域の指定要件に該当する特定有害物質が検出された地域(基準値以上検出地域)はなく、基準値以上検出地域の累計は、128地域7,140haである。
一方、近年、市街地の再開発等に伴い工場や研究所の跡地等において有害物質を含む土壤の存在が明らかになったり、あるいは、工場等における施設の故障・破損等の事故や廃棄物の不法投棄等によって有害物質が土壤に浸透している事例がみられる。