3 生活排水対策の推進
公共用水域の水質の汚濁の原因の一つとして、炊事、洗濯、入浴等人の日常生活に伴う生活排水があげられる。
この生活排水対策を推進するためには下水道整備を促進するほか、地域の実情に応じ、コミュニティプラント、農業集落排水施設、合併処理浄化槽等各種生活排水処理施設の整備を進めるとともに、各家庭からの汚濁負荷を削減するため、住民意識の啓発、住民による実践活動の推進等の対策を総合的に推進していく必要がある。
環境庁においては、昭和63年に「生活雑排水対策推進指導指針」を作成し、また、毎年、「水環境フォーラム」の開催を行うなど対策の推進を図っている。さらに平成2年6月、「水質汚濁防止法」等が一部改正され、?生活排水対策に係る行政及び国民の責務の明確化、?生活排水対策の計画的推進等が規定され、生活排水対策に関する規定が整備された。この改正された「水質汚濁防止法」に基づき、都道府県知事が重点地域の指定を行っており、平成5年度には新たに19県23地域49市町村が指定され、6年3月31日現在、40都府県、113地域、319市町村が指定されている。また、これらの市町村による「生活排水対策推進計画」の策定及び生活排水による汚濁が著しい水路等を浄化する施設、廃油回収・石けん再生等設備などの整備に対して助成を行った。
このほか、生活環境の保全等を図るとともに公共用水域の水質保全に資するため、厚生省及び建設省においては、毎年9月10日を「下水道促進デー」とし、また、環境庁、厚生省及び建設省では、毎年10月1日を「浄化槽の日」として、国民的運動を展開している。